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元自動車メーカー役員ゴーン被告、フランスの国際逮捕状発布もレバノンからの身柄引き渡しの可能性は低い

2021年5月25日、レバノンのベイルート北部にあるドバイエで、AP通信のインタビューに応じる日産のカルロス・ゴーン前会長(AP通信)
2021年5月25日、レバノンのベイルート北部にあるドバイエで、AP通信のインタビューに応じる日産のカルロス・ゴーン前会長(AP通信)
2021年5月25日、レバノンのベイルート北部にあるドバイエで、AP通信のインタビューに応じる日産のカルロス・ゴーン前会長(AP通信)
2021年5月25日、レバノンのベイルート北部にあるドバイエで、AP通信のインタビューに応じる日産のカルロス・ゴーン前会長(AP通信)
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23 Apr 2022 01:04:04 GMT9
23 Apr 2022 01:04:04 GMT9
  • ゴーン被告は一貫して不正を否定している
  • 2019年末に日本からレバノンに逃亡した
  • ゴーン被告は箱に潜り込み、プライベートジェットに乗って逃亡していた

アラブニュース

パリ/ベイルート:ルノーとオマーンのディーラー間での資金の不正流用疑惑の調査に関し、フランスの判事から国際逮捕状が発布された。しかし、元自動車メーカー会長であるゴーン被告の、レバノンからの身柄引き渡しは実現しそうもない。

ナンテール検察庁は、ゴーン被告および、オマーンの自動車販売会社スハイル・バーワン・オートモビルズの現オーナーまたは元取締役に対する5件の国際逮捕状が、捜査当局によって発行されたことを明らかにした。

ゴーン被告はフランスの判事が出した今回の国際手配に驚いていると、同氏の広報担当者がアラブニュースに語った。

「ゴーン氏は取り調べの対象となっていません。よって今回の逮捕令状の発布は驚きでした。カルロス・ゴーン氏は常にフランスの司法当局に協力的で、レバノン領からの出国を司法当局から禁止されていることを捜査判事とナンテール検察官はよく知っているはずです」と、フランスにおけるゴーン被告の弁護士であるKing & Spaldingのジャン・タマーレ氏はアラブニュースに語った。

「この措置は、将来的に法廷で裁判を行うために彼らが考え出した、唯一とれる手段だと思います」とも述べた。

フランス当局がインターポールのレッドノーティスを採用した場合、インターポールの加盟国、つまり世界のほぼすべての国がそれに従う義務がある。しかし、引き渡しは各国の国内法に従うことになっている。インターポールの規則第87条によれば、レバノンは自国民の引き渡しを拒否する権利があり、それどころか現地での裁判を選択することもできる。

レバノンの上訴弁護士ジョルジュ・エル・クーリー氏はアラブニュースに対し、「フランスが発布した欧州の令状があれば、すべての欧州諸国は指名手配被疑者を引き渡さなければなりません。しかしレバノンを含む他の国は違います。レバノンは自国の指名手配被疑者を外国へ引き渡しません」と述べた。

ゴーン被告、オマーンでの疑惑

ルノー・日産自動車連合の立役者であるゴーン被告は2019年末、別の財務不正疑惑が持たれていた日本からレバノンに逃亡して以来、幾度となく捜査を受けている。

日本で行われた捜査により、カルロス・ゴーン被告は絶頂から大転落することとなった。東京の拘置所に数カ月間拘束され自宅軟禁される以前は、パリ、リオデジャネイロ、ベイルートに不動産を持ち、ジェット族のようなライフスタイルを送っていた。

ゴーン被告は箱の中に潜り込み、プライベートジェットに乗って日本を脱出した。

逃亡した当時ゴーン被告は、日産の財務諸表に記載された報酬を10年間で93億円(8,500万ドル)過少計上し、ディーラーへの支払いを通して会社の資金を横領した容疑で裁判を待っていた。

公正な裁判

ゴーン被告は、自身にかけられた容疑を否定しているが、日本との犯罪人引き渡し条約がなく、自国民の引き渡しを行わない方針のレバノンに留まっている。レバノンはゴーン被告が幼少期に過ごした故郷でもある。

ゴーン被告はフランス、レバノン、ブラジルのパスポートを所持している。

逃亡中の自動車業界の大御所は、彼が日本よりも中立的だと考える国で裁判を受けたいと、2021年7月にアラブニュースに話した。

アラブニュースの番組「Frankly Speaking」のインタビューでゴーン被告は、「最終的には裁判を受けるべきだが、裁判の内容に利害関係のない国で行いたいと考えている」と語った。

また、フランス政府が日本に「降伏」した後、フランス政府から「見放された」ことについて語った。

フランス検察は、ゴーン被告がオマーンの自動車販売会社を通じて120フィートのヨットを購入するなど、数百万ドルのルノーの資金を個人的な用途に流用したとしている。

フランス検察は2020年初頭、ゴーン被告のオマーンでの取引と、2014年にベルサイユ宮殿で開いた派手なパーティーについての捜査を強化した。

ゴーン被告は昨年ロイターのインタビューで、フランス当局に対する汚名返上には時間がかかることを覚悟していると語った。

ゴーン被告は2018年に日本で逮捕された当時、日産・三菱の両会長とルノーの最高経営責任者を務めていた。

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