• レバノンのゴーン氏宅から盗まれた書類に基づく新たな逮捕状について、本人がアラブニュースに語る

サラ・スフェール

パリ：逃亡中の元自動車メーカー会長カルロス・ゴーン氏は、自身に対してフランスが発布した国際逮捕状について新聞を読み初めて知ったと、アラブニュースに対して語った。

本日、カルロス・ゴーン氏に対してフランスが発布した逮捕状のニュースが世界中で話題になったが、その後ゴーン氏は、一般の人と同様に新聞を読んで初めて逮捕状について知ったのだとアラブニュースに語った。「フランスの制度では、少なくとも新聞で知る前に、捜査官が最初に本人に対して警告する礼儀があると思っていた。私の支援者も弁護団も、そして私自身も逮捕状について知らされていなかった。これまで逮捕状についての公式な情報は何もない。」

日産自動車の財務諸表に自身の報酬を過少に記載した容疑で数年前から裁判を待っているゴーン氏は、プロセスの捜査部分を完了させるために、この段階での逮捕状発布はフランスでは全く通常のプロセスであることを確認した。「これは判決ではない」とゴーン氏は述べる。

逮捕状の発布自体は、ゴーン氏や弁護団にとって驚くべきものではなかった。「逮捕状の発布は、裁判を行うための実質的な司法手続きの始まりを意味するが・・・驚くべきはタイミングだ。つまり、フランスの政治的な緊張が非常に高まっているこの時に逮捕状が発行されたということだ。」と述べ、逮捕状についてまだ正式に知らされていないとアラブニュースに対して語った。

日本が要請しているレッドノーティスにより、ゴーン氏はレバノンを離れてフランスに渡航することが叶わない。よって、裁判を受けられるレバノンにファイルを送ることが、開始したこと（裁判）を終わらせる唯一の方法であるとゴーン氏は考えている。またゴーン氏は、ゴーン氏と弁護団に対し、日本当局が起訴の根拠としている捜査当局の文書へのアクセスを許可されるべきだと考えている。

ゴーン氏はアラブニュースに対し、フランス捜査当局による告訴は日本の検察から送られた文書に基づいていると説明し、これらの文書のほとんどは日産自動車の従業員がレバノンの自宅から不法に持ち出したものであると明言した。「レバノンでは、文書がどのように持ち出されたかについて刑事捜査が行われており、私は結果を心待ちにしているところだ」と強調し、検察はこれら文書の完全性に異議を唱えすらしなかったと付け加えた。

「彼（検察）は、（文書が）切り取られ、操作され、追加され、歪曲されている可能性を疑いさえしなかった。」

ゴーン氏は、日本からレバノンに向かったとき、裁判に関するファイルがレバノンではなくフランスに送られたことに驚き、そして現在までそのファイルを入手することができていないと語った。「レバノン当局は日本当局に対して何度もファイルを要求したが、日本当局はファイルを渡すことを拒否している」と述べた。

ゴーン氏によると、レバノン当局は全ての告発についてゴーン氏を公判に付することができるよう、フランス当局に対してファイルの転送を要請するつもりだという。

ゴーン氏にとって、それは非常に長い道のりだった。「今、我々は自分たちを守る用意ができている。また明らかに、我々は罪状がどんなものなのか正確に知る必要がある。ご存じの通り、我々はこれまであった尋問や報道陣へのリークを通じて、内容を推測せざるを得ない状態です。」「私はある意味、この苦難を終えられる可能性も見えないまま、2年半にわたってレバノンに留まらざるを得なかった。そろそろその苦難を終えられる時だ」と述べた。

「私は有罪なのか、それとも無罪なのか。そしてこの物語を終わらせよう。率直に言って、この物語はあまりにも長く続きすぎている。私の不利益であるのは明らかだが、同時にルノーと日産も不利益を被っているのだ。この3年間の2社の業績は、ご覧のように悲惨だ。逮捕前の何年間にもわたって、この2社が示してきた業績とはほど遠い状態になっている」とゴーン氏は締めくくった。