
ナジア・フッサリ
ベイルート:イスラエルのネタニヤフ首相が国連総会での29日の演説の中でヒズボラを「ベイルートの南部郊外に秘密本部を持っている」と非難したのに対して、ヒズボラはその数時間後、同首相が言及したジュナー地域へのプレスツアーを実施し、その情報を否定した。
ヒズボラの事務総長、ハッサン・ナスララ師は、ネタニヤフ首相の批判に対して、29日夜に生放送で演説し、同首相が言及した施設を見学するようメディアに呼びかけて、次のように語った。「私たちはベイルート港にも、ガソリンスタンドのそばにも、家屋の間にも、ミサイルを隠したりはしていません。ミサイルをどこに保管するべきかは、私たちには分かっていることです」
レバノン国内・国外のメディアが、ヒズボラのムハンマド・アフィフ メディア関係担当幹部に同行してネタニヤフ首相が言及したジュナー地域の施設を訪れた。同施設は鉄鋼素材を切断する工場であることが判明し、アフィフ氏は私たちは敵のための偵察係ではありませんし、敵に情報提供もしません。このプレスツアーはただ、この施設が抵抗活動用兵器の保管とは無関係だと明らかにすることを目的としたものです」と語った。
プレスツアーの周囲にはヒズボラの支持者たちがナスララ師を称えながら集まっていた。アフィフ氏はツアーの中で「敵の主張は誤りであり、この工業施設は何十年も前から存在しているものだ」と訴えた。
夜に急いでやって来てメディアのために工場を開けることになった、このジャナの施設の所有者は、「ここは鉄鋼を切断する工場です。従業員を雇って、普通に働いています。いつでも誰でも訪れることができますし、ご覧の通りミサイルもありません」と話している。
この工場は、ベイルートの行政境界にあるジュナーの工業地帯にある。ネタニヤフ首相は、ヒズボラが「ベイルート空港近くのガス貯蔵所から目と鼻の先の場所にミサイルを保管している」と語っていた。
イスラエル軍は、アビハイ・アドライ報道官が発表した情報の中で新たに2ヵ所を特定し、そこで「ヒズボラが精密誘導ミサイルの部品を製造していた」と主張している。
発表では、次のように説明されている ― 2ヵ所のうちの1つは、ベイルート国際空港の東、アル・ライラキ地区にある70家族が住む4棟の7階建て住宅ビルの下に造られた地下施設で、その隣には教会と医療センターがある。2つ目の施設は、ショイファットの約50家族が住む5棟の住宅ビルから成る複合施設の地下に造られ、そこからわずか90メートル程のところにはモスクがあるとのことだ。