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レバノンの議員らが新首相選出のための協議会延期を非難

2020年10月12日、レバノンのバアブダーにある大統領官邸で、レバノンのミシェル・アウン大統領がサード・アル=ハリリ前首相と会見する。(ロイター)
2020年10月12日、レバノンのバアブダーにある大統領官邸で、レバノンのミシェル・アウン大統領がサード・アル=ハリリ前首相と会見する。(ロイター)
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16 Oct 2020 12:10:59 GMT9
16 Oct 2020 12:10:59 GMT9
  • レバノン国会の過半数の派閥が、国会の協議会でハリリ氏を新首相として支持すると発表していた
  • 10月13日(火)、自由愛国運動の指導者ゲブラン・バシル氏はハリリ氏への攻撃を開始し、政治的分裂が拡大する

 

ナジア・フーサリ

ベイルート:先週、未来運動の指導者サード・ハリリ氏が、自分こそ次期政府の筆頭となるべき「当然の候補者」だと発表したことを受け、レバノン・ポンドの対ドル為替レートは大幅な改善を見せていた。

しかし、10月15日(木)、レバノンのヤミ市場では為替レートが1ドル =LBP8,000に跳ね上がり、その前日・前々日より1,200レバノンポンド安に落ち込んだ。ミシェル・アウン大統領が、国会協議会でレバノンの新首相を指名させるのを1週間延期すると発表したことを受けたもの。当初、協議会は10月15日(木)に予定されていた。

アウン大統領の一方的な決定について、また、彼が国際社会とレンバノン国民に向けたメッセージについて、疑問が沸き起こった。レバノン国民としては、新政府が早急に設立することによって、国が直面している経済的社会的苦難の一部でも緩和されることを望んでいる のだ。

国会のナビ・ベリ議長は「一日たりとも」審議を延期することには反対だと述べた。

マラダ運動の指導者スレイマン・フランジア氏は、「レバノン国民が置かれている今の状況下で審議が延期されることなど許されない」と述べた。

レバノン国会の過半数の派閥が、国会協議会でハリリ氏を新首相として支持すると発表していた。ハリリ氏は、自身の政党以外にヒズボラ、アマル運動、進歩社会党(PSP)、マラダ運動、そしてアルメニア議員の支持を取り付けており、少なくとも計70票が見込まれている。これは現役議員120名中、明らかに過半数となる。自由愛国運動(FPM)とレバノン軍団はハリリ氏を支持しないと報道されている。

FPM指導者ゲブラン・バシル氏は、アウン大統領の義理の息子でもあるが、10月13日(火)にハリリ氏への攻撃を開始し、政治分裂が拡大した。しかし大統領官邸の情報筋によると、アウン大統領による国会協議会延期の決定の裏には「何の個人的な理由もない」と言う。 2018年、アウン大統領はハリリ氏を筆頭とする政府の樹立を阻止し、バシル氏を大臣職につけることを約束させた。

官邸の声明によると、アウン大統領は自身の決定について、「解決策を必要とする困難な問題が発生し、国会の一部の派閥の要請を受けた」ものだと言っている。

ファレス・スアディ前議員はひと言こう言っている:「我々は地獄行きだ」

アウン大統領に近い情報筋がアラブニュースに語ったところによると、大統領は「次期政府に求められている任務には、分裂ではなく広範なる国民のコンセンサスが必要であり、その重要性を考えた場合に、内閣を設立する首相にはぜひとも議会による可能な限りの最大限の支持を提供したい」と考えているという。

数人の政治家は、ハッサン・ディアブ氏やナジブ・ミカティ氏をはじめ、過去には満場一致のコンセンサスが無くても政府が樹立されていたと指摘している。

議会通の人々の間では、アウン大統領は、ハリリ氏が自らを首相に指名させないようにするために協議会を延期したのだろうと懸念されている。しかし、ハリリ氏のメディア関係の顧問であるフセイン・アル=ワジェ氏はアラブニュースにこう語る:「延期によってハリリ氏の立場が変わることはない。フランスのイニシアチブと専門家政府に対する彼の決意は固い。フランスのイニシアチブは今でも国家の崩壊を食い止めベイルートを再建させるための唯一の、そして最後のチャンスだからだ。延期によってそれが変わることはないし、こうした中断はレバノンとレバノン国民にとって何の解決策にもならない。

「大統領が合法性を守るというならば、それは政府を発足させる人間を任命する時にではなく、政府樹立の際に反映されるべきだ」と語る。

フランスのエマニュエル・マクロン首相は、8月4日のベイルート港における壊滅的な大爆発の2日後にレバノンを来訪した。そしてその3週間後にも再び訪れ、国際支援の条件として彼が具体的に指摘した改革の進捗について視察した。

マクロン首相が借金だらけのレバノンに対して提案した「フランスのイニシアチブ」には、数ヶ月間のみ任務に当たる専門家たちによる独立的政府設立のための2週間の期限が含まれていた。

また、10月15日(木)には、近東問題担当の米国国務次官補デービッド・シェンカー氏が、レバノン訪問の2日目に、ナクーラにおけるレバノンとイスラエル間の交渉のオープニングセッションに出席したあとで、ベリ氏およびPSP党首ワリド・ジュンブラット氏と会見した。

シェンカー国務次官補はマロン典礼カトリック教会のベシャラ・アル=ラヒ総大司教とも会見し、大司教の広報官は次のように述べた。:「シェンカー国務次官補は、中立的レバノンについてのアル=ラヒ総大司教の話にとりわけ関心を示した。そして、誰がレバノンの指導者であっても、レバノン国民に対する基本的なサービスを提供する効果的かつ透明性のあるレバノン政府を期待していると強調し、レバノンに対する米国の継続的な支援を繰り返し約束した。

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