
アルジェ:アルジェリア首相は、マリでフランス人人道活動家が解放された数週間後、人質の解放に際してテログループに身代金が支払われたとの報道をめぐり警鐘を鳴らした。
「アルジェリアは人質解放の目的で身代金として、多額の資金がテログループの手に渡り続けていることを大きな懸念をもって注視している」とアブデラジズ・ジェラド首相はアフリカ連合首脳会議で首脳たちを前に危機感を示した。
そのうえで、アルジェリアのメディアの報道を引用して、そのような交渉は「テロ撲滅への取り組みを台無しにするものだ」と強調した。首相のコメントは10月にマリ政権が200人の捕虜を釈放してから、フランス人の人道活動家、ソフィ・ペトロナンさんなど4人の人質が解放された事件を受けたものだ。
その時に釈放され、後にアルジェリアにおいてテロ容疑で逮捕された過激派の1人はアルジェリアのテレビ番組で、マリ政府とアルカイダと関わりのあるマリ人過激派リーダーとの協議にフランスが関与したと発言している。
Mustapha Derrar容疑者は身代金の支払いと207人の釈放が行われると聞いたと語り、さらにその金額については1000万ユーロとも3000万ユーロとも耳にしたと述べている。
この発言の内容や動機については検証できていない。
11月にアルジェリアの国防大臣は「3人の人質の解放のために多額の身代金がテログループに支払われた」と指摘したうえで、「このような身代金は国連憲章に違反している」と批判した。
ジェラド首相は月曜日、暴力的な過激主義を根絶し、テロと戦い、その資金源を断つために、一致して行動することを求めた。
フランスは人質解放交渉への関与やペトロナンさん解放のための身代金支払いについては、一貫して否定している。
10月12日、フランスのカステックス首相は「ペトロナンさんの解放は人道的行為であり、フランスは交渉に関与していない」と表明した。
西アフリカ地域では欧米人の人質解放に際して身代金が支払われたとの噂が流れることは一般的だが、事実についてはほとんど確認できていない。
ジェラド首相の発言は、アルジェリアと旧宗主国フランスとの間の外交問題と関わりがあるとみられる。フランスは不法移民の引き取りを拒否する国や過激派の多い国へのビザ発給数を減らすことを検討していると明らかにしている。
AFP