
アルジェ:モロッコ政府のイスラエルとの関係正常化と交換条件に、アメリカ政府がモロッコによる西サハラの主権を認めた後、アルジェリアの首相は12月12日、本人が言うところの「外国の作戦」が、アルジェリアを揺るがそうとしていると非難した。
アメリカのモロッコによる西サハラの主権を認める決定に対して、アルジェリアが初めて反発した。「アルジェリアを揺るがそうとする外国の作戦です」と、アブデラジズ・ジェラド首相は語った。
イスラエルに関して、「現在、シオニストの政権が私たちの国境に近づきたいと思っています」と、ジェラド首相は付け加えた。
モロッコの隣国で地域のライバル、アルジェリアはポリサリオ戦線の外国の主要な支持者だ。ポリサリオ戦線は1970年代から、元スペイン領の西サハラの独立を求めて運動している。
「私たちは国境で現在目にしているのは…アルジェリア周辺での闘争と不安定化です」と、ジェラド首相はフランス統治に反対するデモの記念行事の演説で語った。
退任するドナルド・トランプ大統領が10日、モロッコによる西サハラの主権をアメリカが認めるというサプライズ発表を行い、ポリサリオ戦線は素早くこれをはねつけた。同戦線はモロッコ軍が撤退するまで、闘うことを誓った。
モロッコがサハラ以南のアフリカへの唯一の陸路、近隣のモーリタニアに通じる道路を再開させるために、国連の警備する緩衝地帯に軍隊を送った後、ポリサリオ戦線は既に先月、1991年の停戦が終了したと見なすと発表していた。
ポリサリオ戦線はそれ以来、双方を分断する2,700キロメートル(1,700マイル)の砂の壁に沿って、繰り返し砲撃戦が起きていると主張した。
ポリサリオ戦線指導部が1976年に宣言した独立国家、サハラ・アラブ民主共和国はアフリカ連合の加盟国だが、西サハラのわずか20パーセントの領土を支配しているにすぎず、その大半が無人の砂漠だ。
西サハラ領の主要な収入源は、リン鉱床と豊かな大西洋の漁場であり、この全てがモロッコの手中にある。
結果的に、ポリサリオ戦線はアルジェリアからの支援に大きく依存している。アルジェリアで、同戦線は後方基地を運営し、数万人のサハラウィー難民のためのキャンプも運営している。
ポリサリオ戦線が大規模な戦闘を再び始める場合には、アルジェリアの支援が不可欠となるだろう。
AFP通信