ロンドン：アントニオ・グテーレス国連事務総長は10日、人道的大惨事を回避するよう安全保障理事会に働きかけることを「あきらめない」と約束し、停戦宣言を求める訴えを繰り返した。

「残念ながら、安保理は停戦宣言に失敗したが、だからといってその必要性が薄れるわけではない。したがって、私は決して諦めないと約束する」と、グテーレス事務総長はカタールでのドーハ・フォーラムの開会式での発言のなかで述べた。

「10月7日のハマスによる恐ろしい攻撃、それに続くイスラエルによる執拗なガザ砲撃に対し、安保理は沈黙に見舞われた」

包囲されたパレスチナ領土でのイスラエルとハマスによる戦闘の即時停戦を求める決議をアメリカが阻止した2日後、同事務総長は「理事会の権威と信頼性は著しく損なわれた」と語った。

カタール首長のシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ殿下は「犯罪の規模が明らかになり、世界中の街で市民の抗議が巻き起こったにもかかわらず、一部の官界はいまだにパレスチナの人々には停戦を要求する資格がないと見なしているのは残念だ」と述べた。

同殿下は、「この凶悪な犯罪を2か月間も放置してきたことは国際社会にとって恥ずべきことだ。その間に、女性や子供を含む罪のない無防備な民間人が組織的かつ意図的に殺害され続け、家族全員が避難を強いられ、すでに脆弱であったインフラが標的とされ、電気、水、食料、燃料、医薬品の供給が絶たれ、病院、礼拝所、学校、重要な施設が破壊された」と語った。

パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、イスラエルの責任を追及し、制裁を科し、イスラエルが国際法に違反し続けることを止めさせ、パレスチナの人々に対する犯罪を緊急に調査するよう求めた。

同首相は、アメリカ政府が決議案に対して拒否権を行使したことを非難し、これはイスラエルがより多くのパレスチナ人を殺害することを可能にすると発言し、また、ハマス運動はパレスチナの政治地図と構造の一部であるため、イスラエルがハマス運動の殲滅を謳うことは受け入れられないと述べた。

ヨルダンのアイマン・アル・サファディ外相は、戦争の継続は地域を全面的な紛争に引きずり込むと警告し、ガザで起きていることは、住民を追放する組織的な行為といえ、イスラエルはパレスチナ人を「一掃」するよう呼びかけていると述べた。

同外相は、イスラエルが世界に反抗し、国際法に違反し、戦争犯罪と大量虐殺を行っていると付け加え、ガザ地区での犯罪を停止するようイスラエルへの圧力をさらに強化するようアメリカに求めた。

カタールの首長および首相兼外務大臣であるシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ殿下は、2日間の同イベントに出席した国連高官、各国首脳、閣僚らとフォーラムの傍らで多くの二国間会談を開催し、ガザ紛争、援助提供、人質解放、戦闘終結に向けた試みの継続方法について協議した。