
ドバイ: イランが、海外からのコロナウィルスワクチン購入のための送金について米国の承認を勝ち取ったと、中央銀行総裁が木曜に述べた。同国の一日の死亡者数は3ヶ月ぶりの低水準まで減少している。
アブドルネーザー・ヘマティ中央銀行総裁は、イランの銀行がワクチンの支払いでスイスの銀行へ送金することについて、米財務省の外国資産管理局から支持を得たと述べた。
「彼ら(米国)は当国のすべての銀行に制裁を課している。世界の世論の圧力を受け、この1例については容認した」と、ヘマティは国営TVで話した。
ヘマティのコメントに対して、米国からすぐに反応はなかった。
ヘマティによれば、イランはCOVAXから初めて輸入するワクチン1,680万接種分に対し、約2億4,400万ドルを支払う見込みだ。COVAXは、低・中所得国向けにワクチンへの公平なアクセスを確保することに特化した複数機関グループである。
イラン当局は、米国の制裁によってCOVAXへの支払いが妨げられていると述べたと伝えられる。COVAXとはすでに約190ヶ国が契約を締結している。
イランのシファ・ファームド社は今週、同国初の国内COVID-19ワクチン候補の臨床試験について、ボランティアの登録を開始したと、イランのメディアが報じた。同国では輸入品の使用をめぐり、派閥間の論争が起ころうとしている様子だ。
「海外のコロナウィルスワクチンを革命防衛隊やバスィージ(民兵部隊)の隊員に摂取することは勧めない」と、イランの報道機関がこの強硬派防衛隊のムハンマド・レザ・ナクディ副隊長の発言を引用して報じた。
保健省のシマ・サダト・ラリ報道官はこれまでに国営TVに対し、過去24時間のイランにおけるCOVID-19関連の死者数は152人と、9月以来の低い数字になったと話した。これにより、中東で最も大きな打撃を受けた同国の死者数は合計で54,308人となった。
死者数の減少は、主な都市における1ヶ月以上にわたる夜間外出禁止令やその他の制限の結果である。警察によれば、水曜には外出禁止令に違反したドライバーに対し、全国で96,000件の罰金が科されたという。
当局は、感染者数が再び急増する危険性が大きく立ちはだかっていると警告している。
米国のドナルド・トランプ大統領は2018年、イランと世界の主要6ヶ国との間で結ばれた2015年の核合意から離脱し、同国に新たな制裁を課した。
新たな大統領に選ばれたジョー・バイデンが政権に就くことで、ワシントンが再び協定に加わる可能性が高まっている。
ロイター