• アナリスト「イランが米国、湾岸の同盟国またはイエメンに対してテロ攻撃を行う『可能性は高い』」

Mohammed Al-Kinani

ジッダ：イランの軍事指揮官カセム・ソレイマニ氏の殺害から1周年を迎える前日に、イラン政府が報復の脅迫を強めたため、米国と湾岸の同盟国はイラン主導のテロ攻撃に備えるよう警告されている。

米国とイランの間の緊張が地域で激化する中、イスラム革命防衛隊（IRGC）の司令官でソレイマニ氏の後継者であるエスマイル・カーニ氏は木曜日、ドナルド・トランプ米大統領や他の政府関係者を殺害して復讐すると脅迫した。

 ソレイマニ氏は昨年1月3日、乗っていた車列がバグダッド空港の外で米軍の無人機による攻撃を受けて死亡した。

イラン政府の一連の遠回しな脅迫の中で、イランのモハンマド・ジャバド・ザリフ外相は金曜日、イランを攻撃するための言い訳をでっち上げているとして米国大統領を非難し、米国政府がこの地域で「どのような冒険的行動を起こしても代償を払わせる」と警告した。一方、イランの司法長官エブラヒム・ライシ氏は「トランプ氏でさえも裁きを免れることはない」と述べた。

政治アナリストで国際関係学者のハムダン・アル・シェハリ博士は、この脅迫についてコメントし、イランが米国、湾岸の同盟国またはイエメンに対してテロ攻撃を行う「可能性は高い」と述べた。

しかし、米国はイランの政権に対抗する準備ができているため、攻撃があったとしても限られたものになるだろうと同氏は述べた。

アル・シェハリ氏はアラブニュースに対し、イランの攻撃的な行動に歯止めをかけるためには、米国が他のどの世界的な大国よりも抑止力を強化する必要があると語った。

米国は1977年にテヘランの大使館がイランの民兵グループに占拠されて以来、イランのテロ行為に苦しんでいると同氏は言う。

「40年以上にわたって米国が沈黙してきたことで、イランが成長し、民兵やテロ組織を発展させ、さらには複数の国との関係を改善することさえ可能になり、それらの国々は現在、テロを実行して米国に挑戦するイラン政府を支援している」

同氏は、米国の「寛大さ」は、イランが地域と世界に対する脅迫、「特に核レベル」での脅迫を継続する一因になるだろうと警告した。

 アル・シェハリ氏は、イランの脅迫は地域のイラン同盟国とイランの革命報道媒体に向けて行われていると述べた。

 「誰の言葉を真摯に受け止めるべきかと問われれば、私はカーニ氏の言葉と答えるだろう。彼はイラン政府で陣頭指揮をとっており、イランのすべてをコントロールしている人物だ」

同氏は、カーニ氏が米国大統領に対する脅迫や、米国内でのテロ行為をほのめかしたことについて、責任を問われるべきだと付け加えた。  

米中央軍は2日、「地域の安全保障に対する米国の決意を強調するため」、中東に2機のB52爆撃機を派遣したと発表した。

その2日前、米国政府による最も新しい軍事力の誇示として、米海軍の原子力潜水艦がホルムズ海峡を通過し、アラビア湾に入った。

アル・シェハリ氏は、米軍が今、イランに対して行動を起こさないなら、特に米国の政権交代と世界の現状を考えると、今後も決して行動を起こさないだろうと述べた。

同氏はさらに、「今はイランのすべてのテロ活動を罰するための最適な時期だ」と付け加えた。

アル・シェハリ氏は、イラン政府は米国の意思決定者、特に新政権に圧力をかけようとしていると指摘する。

「イラン政府は、同政府に対処する最善の方法は、同政府の怒りを鎮めることだとジョー・バイデン政権に伝えようとしている」と同政治アナリストは語った。

「バイデン氏はオバマ氏のようにはならないだろうが、イラン政府と対峙する上ではトランプ氏のようにもならないだろう」とアル・シェハリ氏は述べている。

米国政府とイラン政府の間の緊張は、トランプ氏がイラン核合意から米国を一方的に離脱させて、厳しい制裁措置を再び課した2018年以来激化している。