
Menekse Tokyay
アンカラ:トルコ政府と人権擁護者の間で、希少疾患に苦しむ約1,100人の子どもたちの治療をめぐり、新たな対立が生まれた。
必死に助けを求める数家族が、脊髄性筋萎縮症(SMA)を持つ子どもたちの高額な治療のための資金を確保するためにオンラインキャンペーンを行っている。SMAは筋肉の緩やかな衰えと新生児に死亡を引き起こす神経筋障害。
この病気は、4か月ごとに投与されるスピンラザと呼ばれる薬剤で治療されるか、2歳未満または21kg以下の赤ちゃんには1回限りの治療法としてゾルゲンスマと呼ばれる遺伝子治療が行われる。
ディデム・デミルさん(2歳)は、北西部のブルサ市にある公立病院で診断が遅れたため、1年前からSMAを患っている。
彼女の家族は約41万6千ユーロ(約51万ドル)を集めたが、さらに65万ユーロが必要だという。
2週間後には、彼女はハンガリーで利用可能な遺伝子治療を申請する資格がなくなる。
ゾルゲンスマは米国食品医薬品局によって承認され、ドイツ、フランス、イタリアなど世界40か国以上で提供されているが、200万ドル以上の費用がかかり、国による支援を伴わない使用が妨げられている。
2019年以降、約9万ユーロかかるスピンラザの投与は、トルコの一部の家庭に払い戻されているが、ゾルゲンスマは、払い戻しを認める裁判所の判決にもかかわらず、払い戻しのリストに含まれていない。
「1つ目の薬を使用した赤ちゃんには死亡の危険性があります。しかし、遺伝子治療は95%の患者で成功しています。これは私たちの子どもたちが生きる最後のチャンスです」とディデムさんの叔母のチーダム・デミルさんはアラブニュースに語った。
コジャ保健相によると、SMA患者の治療費はすでに国が負担しているが、すべての子どもたちがスピンラザを用いた治療の恩恵を受けられるわけではないという。
「彼らは非常に詳細な神経学的検査・身体検査を受けており、どれかの検査で不適格と判断された場合、払い戻しの対象から簡単に外される可能性がある」と、イスタンブールに拠点を置く弁護士のカルデレン・ヤルリ氏はアラブニュースに語った。
適格性検査の中には、数時間呼吸器を使用しないといった欧州諸国では必要ないと医療専門家から批判されているものもある。
遺伝子治療は、トルコによって外国医薬リストに追加されたにもかかわらず、国の社会保障制度でカバーされておらず、低・中所得の家庭はこの治療を受ける余裕がないため、より絶望的な状況に陥っている。
「これらの家族は、2歳になる前に子どもたちの治療を成功させて救うために一刻を争っている。保健相の声明は、責任から逃れるものだ」
野党議員、Burhanettin Bulut氏。
7,500万リラ(1,000万ドル)に達する大晦日の宝くじに誰も当選しなかったことが分かった後、何千人ものソーシャルメディアユーザーが、トルコ・ウェルス・ファンドではなくSMA患者にこのお金を再分配するよう政府に求めるキャンペーンを開始した。野党政治家や反体制派の市長たちもこのメッセージに賛同した。
しかし、この自然発生的な社会的動員は政府から反発を受け、ファフレッティン・コジャ保健相はこの取り組みを「汚いキャンペーン」と誹謗した。
同氏は声明で「我々の政府は、資源の不安なく、すべての患者を治療するのに十分な強さを持っている。ここでの主な問題は、道徳的な要因をだしにして製薬会社を支援し、我々の国家を弱く見せていることだ」と付け加えた。
与党公正発展党のマヒル・ウナル副代表にとって、このキャンペーンは野党による「嘘に基づく卑劣なプロパガンダ」だった。
最近採択された法律により、寄付キャンペーンはオンラインで行うことができず、県当局の承認を得なければならない。
「これらの家族は、2歳になる前に子どもたちの治療を成功させて救うために一刻を争っている。保健相の声明は、責任から逃れるものだ」と、主要野党共和人民党のBurhanettin Bulut議員はアラブニュースに語った。
「国は、これらの赤ちゃんに対する義務を果たすために、希少疾患のための個別予算を設ける必要がある。これらの両親から助けを求める声が上がることは、国にとっての恥だ」と同氏は付け加えた。
SMAは世界中で出生数約10,000人に対して1人の割合で発生するが、トルコでは6,000人に1人の割合に発生率が上がる。
ヤルリ氏によると、有効性が世界中で証明されているため、家族は2歳までに1回限りの遺伝子治療を行いたいと考えている。
「裁判所の判決にもかかわらず、政府はこの2つ目の薬を払い戻しリストに入れないことを強く主張している」と彼女は述べた。
「これは憲法や、子どもの健康の権利に関する『人権と基本的自由の保護のための条約』に反するものだ」と彼女は付け加えた。
「トルコは、国民の身体的完全性を実効的に尊重する権利を確保するための積極的義務を課されている」
ヤルリ氏は、これらの寄付キャンペーンを禁止することは、社会福祉国家としての基準を満たすどころか、人権への取り組みを弱体化させる意図があったと考えている。