
エルサレム:イスラエルでは毎週、長期にわたり政権に就いてきたベンヤミン・ネタニヤフ首相に対して、辞任を求める抗議運動が繰り広げられているが、今週の土曜日にも数千の人々がデモに参加した。同首相は、汚職の罪に問われているとともに、コロナ対策を誤ったとして非難されている。
抗議者たちは、「去れ」や、「ビビ、私の人々を解放しろ」などと書かれたプラカードを掲げた。ビビとはネタニヤフ首相のニックネームだ。
ネタニヤフ首相の官邸に近いエルサレムの広場での抗議活動は、国内の学校を閉鎖して3度目の厳格なロックダウンを敷き、世界に先立つワクチン接種を推し進める最中に起きた。首相の公判は今週再開されるはずであったが、封鎖措置が厳格化される中で無期限に延期された。
ネタニヤフ氏は、長期的な3件の捜査に関連する贈収賄、不正、背任行為の罪で起訴されている。彼は不正行為を否認しており、敵対的なメディア、警察、司法当局による「魔女裁判」であるとしている。抗議者たちは、ネタニヤフ氏は起訴されている間は適切に国を導くことはできないと主張している。
イスラエルは、世界でも最速でワクチン接種を開始した国のひとつであるにも関わらず、このところ感染者数が急増している。同国は2回接種するワクチンの1回目を20%近く終えたところであり、ネタニヤフ首相は木曜日、国は3月末までに全成人に接種するに十分なワクチンを確保していると述べた。
ネタニヤフ氏は、同月の選挙での再選に向けた活動の中心に、ワクチン接種の推進を掲げている。3月23日にイスラエルでは、ここ2年足らずの間で4度目となる全国統一選挙が予定されている。こうした間にも彼は国民に対して、厳格化された規制措置に従い、感染防止のための「最後の大きな努力」を払うよう呼びかけている。
AP