
Najia Houssari
ベイルート:レバノン当局は月曜日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延に対処するため、医療非常事態を宣言し、外出禁止令を発出した。
外出禁止令は1月14日から25日までの間、昼夜を問わず実施され、場合によっては延長される。また、レバノン軍が違反者の取り締まりに当たる。 レバノンでは1月7日から全面的なロックダウンが宣言されている中、一部の職業や企業には例外が認められている。
この決定は、患者を搬送する救急車が救急部門の空きベッドを求めて病院から病院へと移動しており、病院がこの病気の患者を治療する能力を失ったことを受けて行われた。
ある赤十字の救急隊員は、Facebookのアカウントに「ウイルス感染者とその家族が助けを求めていて、朝の5時から携帯電話に電話がかかってくる」という内容の文章を投稿し、この投稿は急速に拡散した。
この救急隊員は、「まだ感染防止・予防措置に違反しているすべての人は、病院に行って自分たちが引き起こしている悲劇を見てください」と訴えた。
同氏は、「空きベッドがない段階から病院に行けない段階へと移ってしまいました。医師たちは救急部門の前に停めた車の中で患者を診察しています」と話した。
この救急隊員は、病院の前で起きていることは「8月4日のベイルート港での爆発事故の後に起きたことと似ています。しかし、パンデミックの影響で、私たちは毎日8月4日という新たな悲劇を生きています」と述べた。
「医療スタッフは疲弊していて、整形外科医、産婦人科医、さらには退職した医師もコロナウイルス患者の治療に従事しなければならないかもしれず、集中治療室へ受け入れる人を選ばなければならない段階に達するかもしれません。だから、家から出ないようにしてください」と同氏は付け加えた。
ラフィク・ハリリ大学病院(RHUH)の院長、フィラス・アビヤド医師は、1月3日から10日までの間に新型コロナウイルスに感染した患者数が3万人で、120人が死亡したと推定した。
最高防衛評議会の会議中、レバノンのハッサン・ディアブ暫定首相は、「我々は極度に危機的な段階に達している」と述べた。
「レバノンの一部の人々は、新型コロナウイルス感染症が嘘だと思っている。我々は恐ろしい医療状態に直面している。この病気は、人々の頑固さと感染防止・予防措置に対する反抗のために、制御不能に陥っている」と同氏は続けた。
「我々の義務は、人々を彼ら自身から守ることだ。完全で厳格なロックダウンで状況をコントロールしなければ、イタリア型よりも酷いレバノン型の方向に向かう可能性がある」
同評議会の決定には、銀行や政府機関を、延長も視野に入れて10日間閉鎖することが含まれている。一方、空港は今のところ開いたままとなっている。
ラフィク・ハリリ国際空港(RHIA)の空港長、Eng. Fadi El-Hassan氏は、到着した人が感染している割合はレバノンで確認された感染者の割合である1,000人当たり3人を下回ると述べた。
同評議会の決定は一部に動揺を引き起こし、ハマド・ハッサン保健相は、クリスマスと新年の期間の間に完全なロックダウンを実施しなかった政府への抗議として、新型コロナウイルス感染症との戦いに関係する閣僚委員会の会議に出席しなかった。
同相は同委員会に対し、「保健省の科学委員会には状況に対する的確な手法があるため、安全な状態に到達するために科学委員会の決定を承認する」よう求めた。
レバノンの医学界は、感染者数の増加は新年の祝賀会期間中の付き合いが原因との見方で一致している。
ベイルート・アメリカン大学の危機観測所は、レバノンの「新型コロナウイルス感染症における危機管理の失敗」を批判し、「レバノンの危機管理の弱さに深く根ざした傾向の一部」と評した。
感染者数の急増を目の当たりにしているバールベック・ヘルメル県のBachir Khodr知事はアラブニュースに対し、「私は最善を尽くし、最も極端な対策をとった。しかし、協力的な人もいれば、私を嘲笑する人もいる」と語った。
知事はさらに、「市民一人一人に警察官を割り当てることはできない。そして、家族が集まることのないように家々に突入することもできない。人々が協力しなければ、イタリアのシナリオは時間の問題だ」と付け加えた。
「テレビで病院が患者でいっぱいになっているのを見て、そして、すべての国民が少なくとも1人はウイルスに感染したか、ウイルスで死亡した知り合いがいることを心に留め、人々が警戒し、事態の深刻さを認識すべきだと考えている」と同氏は付け加えた。
例外のない閉鎖の脅威は多くの人々の間でパニックを引き起こし、スーパーマーケット、精肉店、パン屋に人々が殺到し、様々な商品の一時的な不足につながった。一方、農業と工業輸出部門は、完全な閉鎖から免除されるように圧力をかけた。
多くの医師は、このような方法でスーパーに殺到することは、感染症をさらに広めることになると懸念を表明した。
レバノンの食品輸入業者連合のハニ・ボーサリ会長は、「スーパーマーケットに殺到するのは適切ではなく、ウイルスの拡散を加速させるだろう。食料品は輸入業者の店舗で手に入り、少なくとも2か月分の量がある」と述べた。
同氏は一度に1週間分だけ必要なものを購入するよう呼びかけた。