
エルサレム:イスラエル当局は月曜日、オーストラリアでの74件の児童虐待の容疑で指名手配されていた女性を、オーストラリア側に身柄を引き渡した。この女性を巡る6年間の法廷闘争中、2国間の関係は緊張が続いていた。
メルボルンのユダヤ人学校で複数の元生徒を性的虐待したとして告発された元教師のマルカ・ライファーは、2014年以来、イスラエルからの身柄引き渡しを争っていた。ライファーは無実を主張し、裁判を長引きかせ、身柄引き渡しの遅延を繰り返したことで、オーストラリア政府関係者やユダヤ人指導者からも批判を浴びていた。
イスラエルのメディアは、月曜日の初めにベン・グリオン空港で、足首と手首を拘束され、飛行機に搭乗するライファーの姿を撮影している。彼女の弁護士、ニック・カウフマンは、身柄引き渡しを確認した。
ヘブライ語のニュースサイト「Ynet」は、彼女がフランクフルト行きの便に搭乗し、到着後オーストラリア行きの別便に乗り換えると報じている。彼女の出国は、イスラエルのコロナウイルス対策による深夜の空港閉鎖に間に合うタイミングで行われた。
昨年の12月、最高裁判所は彼女の身柄引き渡しに対する上告を却下し、イスラエルの法務大臣が彼女をオーストラリアに送る命令に署名している。ライファーは、メルボルンで教鞭を取っていた時に犯したとされる児童の性的虐待の容疑で74件の告訴に直面している。
2008年に彼女に対する告発が表面化し始めると、イスラエル出身のライファーは急ぎ学校を辞めてイスラエルに戻り、現在に至っている。
ライファーの被害者とされる人たちを含む批評家たちは、イスラエル当局が訴訟を長引かせすぎていると非難する一方で、ライファー自身は精神的に裁判に耐えられないと主張した。
昨年、イスラエルの精神医学委員会は、ライファーが自身の精神状態について嘘をついていると判断し、身柄引き渡しを認めた。
引き渡し命令に署名したイスラエルの元法務大臣アヴィ・ニッセンコーンは、ツイッターに次のように投稿している:「私は身柄引き渡し命令を妨げないと約束した。マルカ・ライファーの被害者は、ようやく正義の恩恵を受けることになるだろう」
ライファーの被害者を代表する組織である「子どもの性虐待に反対する声」の代表であるマニー・ワクスは声明の中で、「今日は正義が貫かれた素晴らしい日だ!」と述べている。
「これでようやく訴えられている74の容疑について、オーストラリアで正義の裁きを受けるライファーを待ち望むことができる」と彼は述べた。
AP