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古い習慣がイラクを危険にさらす 医師はコロナ第2波を警告

イラク保健省はまた、新型コロナの第2派は「パンデミックの存在を公然と疑問視する一部の人たち」にも責任があると述べた。(AP)
イラク保健省はまた、新型コロナの第2派は「パンデミックの存在を公然と疑問視する一部の人たち」にも責任があると述べた。(AP)
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19 Feb 2021 06:02:59 GMT9
19 Feb 2021 06:02:59 GMT9
  • 「コロナウイルスの存在など信じない、神を信じている」
  • 厚労省は「パンデミックの存在を公然と疑問視する一部の人たち」を非難

バグダッド:バグダッドの主要公立病院の混み合った救急室で、アリ・アッバースさんはマスクを付けずに立っていた。アッバースさんは病弱な父親を待っていた。部屋には他にも数十人の患者やその親族が、入り交じるように待っていた。マスクを付けている人は誰もいない。

イラクの医療従事者らは、まさにこうした一場面に困らされているのだ。こうした医療の専門家たちは、多くの人が予防対策を怠っているせいもあり、イラクは新型コロナの第2波に突入しつつある、と警告する。

「コロナウイルスの存在なんて信じていません、神を信じているのです 」。21歳のアッバースさんは、病院の床の中央に立って、こう言った。この病院では訪問者にマスク着用を義務付けているが、アッバースさんはその規則をものともしていない。

金曜日、イランは、政府が新たに発令した終日外出禁止令の初日を迎えていた。今回の措置は、昨年秋に外出禁止令が緩和された後、陽性率が再上昇したのを受けたものだ。この新たな外出禁止令により、金曜日から日曜日までは終日、残りの日は午後8時から午前5時までの外出が禁止されることになる。政府声明によると、モスクや学校は閉鎖され、大規模な集会は禁止となる。また、マスク等防護具の着用が新たに義務化される。

政府関係者2人によると、空港や国境の閉鎖を含む完全なロックダウンも検討されているという。関係者はメディアに話すことが許されていないとして、匿名を条件に語った。

新規感染者数は、1か月前は1日600人未満へと減少していたのが、その後急増し、2月18日には1日3,896人に達した。この数は現在も増加しており、1日平均人数のピークだった 9月の、5,000人以上という数に近づきつつある。厚生省によると、新規感染者の50%は、英国で最初に確認された感染力が強いとされる変異株だという。イラクでは昨年2月以降、新型コロナウイルス感染者65万7,000人以上、死者1万3,220人が確認されている。

医師らがAP通信に語ったところでは、こうなることは数週間前から分かっていたという。そしてその責任は、不注意な国民、そして新型コロナウイルスの防疫プロトコルを完全に実施することができない政府の両方にあるという。

「私は、パンデミック相手ではなく、大衆の無知を相手に戦っている医師なのです」と、バグダッドのアル=ザハラ病院の肺専門医であるモハメド・シャハダさんは語った。

アル=ザハラ病院では、90床の隔離病棟に入院する患者がわずか4人という状況で新年を迎えた。2月に入るまでに、この数は30人と跳ね上がった。すべて重症の新型コロナウイルス感染症患者である。シャハダ氏の予想では、患者数は今後数週間のうちにさらに増加するだろうという。

シャハダ氏の運営する個人診療所ではマスク着用を厳しく義務付けしているが、これを守りたくないがために立ち去った患者も何人かいた、とシャハダ氏は語った。

バグダッドのシェイク・ザイード病院で医師を務めるイスマイル・タヘル氏によると、同病院の建物に入ってくる人のうち、マスクを付けているのは10人に1人くらいではないかという。

イラク保健省は今月初め、第2波が起きつつある原因として、金曜礼拝やモスク訪問といった宗教的な活動を挙げたほか、市場、レストラン、モール、公園といった場所に人が多く集まり、握手やキスによる挨拶が普通に行われていることも原因だとした。

同省はまた、「パンデミックの存在を公然と疑問視する一部の人たち」にも責任があるとした。

ただ一般大衆の間では、そうした感情は何も特別なことではない。

「単なるインフルエンザにすぎませんよ」と、大卒のヤハヤ・シャマリさん(28)は言う。「マスクを付けずに病院に行ったことが2回ありますが、感染しませんでしたもの」

ラヘム・シャビブさん(32)は、10月のイスラム教徒シーア派の「アルバイン」巡礼後に感染率が下がったことに気がついた、と語った。「だから、神は新型コロナよりも強いんですよ」とシャビブさんは言う。

イラク・アメリカン大学スレイマニヤ校の医療社会学者であるマック・スケルトン氏は、イラク人のこうした現実を否定するような態度は、無知に根ざしたものというよりは、むしろイラク人が直面している現実のせいであると語った。

イラク人は過去数十年という間、戦争や政治的暴力、制裁など、数多くの災難に耐えてきたので、新型コロナは「大問題とはみなされないのかもしれません」とスケルトン氏は言う。

また、病院を中心とした政府のパンデミック政策が、イラク人の病気に対する対処の仕方に合っていないことも理由の1つだ、とスケルトン氏は言う。不安定な政情が長年続いていたイラクでは、市民は自分たちで自分たちなりの戦略を立てなければならなかった。医療が利用できなかったという事情もあるし、病院を信じない人も多かった。宗派抗争のピーク時に、病院は危険な場所と化してしまったからである。

そんなわけで、市民は、薬剤師や看護師に頼るか、近所の人に助けを求めるようになった。病気の治療のために国境を越える人もいた。

「驚くような医師はあまりいないと思います。イラク人が病院に行きたがらないことを知っていますから。息をするのも苦しくなり、もう選択の余地はない、という状態にならない限り、イラク人は病院行きを拒否するでしょう」と、同校の地域国際研究所の所長であるスケルトン氏は語った。

AP

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