
Raed Omari
アンマン:ヨルダン下院は21日、同国の歴史上、最も難しいと言われている予算案を承認した。
ヨルダンがコロナウイルスのパンデミックから経済を再建しようとしている中、2021年の予算法案と、独立した公的機関の予算を、国会議員の過半数が支持した。
ヨルダン政府は先月、対外援助を除くと、不足額が20.6億ディナール(28.9億ドル)、国内総生産(GDP)の6.5%であると推定されているため、国会に法案を提出した。2020年の不足額は21.6億ディナールだった。
国内歳入は、対外援助を除くと約78億ディナールと推定されている。対外援助は5億7700万ディナールに達すると予想されているが、8.51億ディナールだった2020年より減少している。
2021年予算の総支出額は99.3億ディナール(GDPの31.2%)に達すると予想されている。2020年は93.7億ディナール(GDPの30.6%)だった。
130人の議員のうち、合わせて111人が順番に、法案に関するコメントと懸念事項を発表した。
これを受けてMohamad Al-Ississ蔵相は、2021年中は新税を導入しないという政府の公約を新たにした。しかし同氏は、一部の議員の要求に応じて国庫歳入を増やすには、「増税や公務員の解雇といった犠牲がいくらか必要だ」と警告した。
Al-Ississ大臣は国会議員らに対し、議員らの選挙区で開発計画とインフラ計画を進めてほしいという要求は、予算規模を考えると非現実的だと述べた。
2021年の国家予算は、新型コロナウイルスのパンデミックによってもたらされた課題に対処でき、経済がさらに縮小するのを防ぐだろうと同氏は述べた。
インフレ率は今年、1.3%と「妥当な水準」に上昇すると予想され、世界がパンデミックから徐々に回復し、国の輸出は6.5%増加すると予想している、とAl-Ississ大臣は述べた。
Al-Ississ氏は以前、今年の予算は「ヨルダンにとって、これまでで最も難しい」と話していた。
ヨルダンは、COVID-19の感染拡大を抑制するため、昨年3月17日から5月30日まで国全体でロックダウンを実施した後、一部のセクターを徐々に再開した。
感染者数の増加に伴い、新型コロナウイルスを封じ込めるための規制が強化される可能性があるため、経済の他の分野は今も閉鎖されたままだ。
ヨルダンでは21日に約4000人の感染者が登録された。ここ2カ月強で最も多い数だ。
ヨルダンの失業率は2020年第3四半期に23.9%に達し、2019年の同時期と比較して4.8%上昇したと公表されている。
世界銀行の報告によると、ヨルダン経済は2021年には1.8%、2022年には2%成長すると予想されている。