
ハーグ:国際刑事裁判所(ICC)の検察官は3日、パレスチナ地域の紛争における戦争犯罪に関して、両国に対する正式捜査を開始すると述べた。
この決定は、2月5日に同裁判所がこの件に関する管轄権を持つとの判断を下していたことからなされたもので、米国およびイスラエル政府は即座に拒絶の意を表明した。パレスチナ政府はこの決定を歓迎している。
「約5年に渡って私たちは入念な調査を行っており、今回の決定はその流れから下されたものです」退任が決まっているファトゥ・ベンスーダは声明でそう述べた。
「詰まるところ私たちの懸念の中心は、長きに渡る暴力のサイクルと不安定によって引き起こされた深い苦しみと絶望に起因する、パレスチナとイスラエル両陣営の犯罪被害者たちでなければなりません」ベンスーダはそう述べた。
「我々は、これまで管轄権を接収してきた他の全ての件と同様に、規律を持って、偏りのないアプローチを採っていきます」
6月16日付けで英国の検察官カリム・カーンに後任を譲ることが決まっているベンスーダは、2019年12月に「これまでに、そして現在も東エルサレム、ガザ地区を含むヨルダン川西岸地区で戦争犯罪が行われています」と発言している。ベンスーダは、イスラエル国防軍およびハマス等のパレスチナ武装組織を名指しし、両者が加害者となっている可能性があると述べている。
イスラエルまたはパレスチナ当局が自ら捜査しその評価を行うかどうかを決めることが、次なるステップとなる。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相からは、即時的なコメントは出されていない。ICCが管轄権を持つという決定を下した際には、「ICCが偽の戦争犯罪を理由にイスラエルを捜査するのは、純粋な反ユダヤ主義です」と述べている。
パレスチナ当局はベンスーダらによる捜査を歓迎している。
これは「長い間待ち望まれていた、パレスチナによる正義と責任の不断の追求に資するステップであり、パレスチナの人々が求めている、そして彼らが手にして然るべき平和に不可欠な柱です」パレスチナ外相は声明でそう述べた。
ロイター