
バグダッド:教皇フランシスコ1世は、7日、歴史的なイラク訪問で、3年前にジハード主義者の「カリフ国家」が敗北するまで、ダーイシュグループの残虐行為に耐えたキリスト教コミュニティを訪問した。
厳戒態勢下で訪問中の84歳の教皇は、ダーイシュ(またはISILと称される)を掃討のための激戦により中心地が荒廃した古代の十字路モスルで「戦争の犠牲者のための」祈りを捧げる予定である。
「テロが宗教を悪用するとき、私たち信者は沈黙することはできない」とフランシシスコ1世は6日の異教徒の親睦会で述べた。
「平和の巡礼者」としての教皇フランシスコ1世のイラク訪問は、国の古来だが減少するキリスト教コミュニティを安心させ、他宗教との対話の拡大を目的としている。
世界で13億人のカトリック教徒の指導者は、6日にイラクのトップであるシーア派イスラム教聖職者であり、隠居中のグランド・アヤトラ・アリシスタニ師と会談した。師はイラクのキリスト教徒が「平和」に暮らすべきであることに同意した。
「今回の訪問がイラク国民にとって良い兆候となることを我々は皆望んでいる」とイラク北部のキリスト教徒であるアドナン・ユセフ氏はAFPに語った。
「それがより良い日々につながることを願う。」
イスラム教徒が多数を占める人口4000万人の国であるイラクのキリスト教コミュニティは、2003年にサダム・フセインを追放した米国主導の侵略以前の150万人から、現在の人口の約1パーセントである40万人にまで減少した。
「この非常に重要な訪問は、何年にもわたる困難、問題、戦争の後、我々の士気を高めるだろう」と、イラクのキリスト教指導者、ジョージ・ジャフーラ神父が述べた。
2014年に遡り、IS過激派がイラクの3分の1を襲ったとき、教皇フランシスコ1世は、避難民やその他の戦争の犠牲者を訪問する準備ができていると述べていた。
7年経ち、7日早くにイラク北部のクルド人地域に立ち寄った後、荒廃したモスル旧市街と再建するための取り組みを教皇自身が目のあたりにするだろう。
教皇フランシスコ1世はまた、イラクで最古のキリスト教徒の町の1つであるニーナワー平原のさらに東にあるカラコシュを訪問する予定である。
ISがこの地域で猛威を振るった2014年にカラコシュは大部分が破壊されたが、住民は2017年から少しずつ戻ってきて、徐々に故郷の再建に取り組んでいる。
教皇を称えるために、地元の職人は2メートル(6.5フィート)の祈りのショールやストールを編んだ。そこには、イエス・キリストによって話された言語であり、まだカラコシュで使用されているシリア語で「我らの父」と「アヴェマリア」という祈りの言葉が丁寧に金糸で手縫いされている。
イラク北部では、政府軍が依然としてIS残党と潜伏工作員を捜索中のため、治安は非常に厳しくなるだろう。
教皇が国を縦横に渡り、飛行機、ヘリコプター、装甲護送船団を連れて国内で1,400 km(870マイル)以上を移動したため、何千人もの軍隊と警察が配備された。
もう1つの大きな課題は、コロナウイルスの大流行である。イラクは最近、第二波にさらされており、1日に5,000人以上の感染者が確認されている。
イラク当局は群衆を規制するためにロックダウン措置を課したが、何千人もの信者が教皇の法話を聞くために7日遅くに北部都市アルビールのスタジアムに群がると予想されている。
イラクの石油が豊富なクルド北部地域の州都アルビールは、ISから逃れた多くのキリスト教徒にとって、比較的安定した安息の場所であり、避難場所だった。
フランソ・ハリリ・スタジアムの数千席は、「ババ・アル・バチカン」として知られるカトリック指導者が聖なるミサを捧げるのをイラク人が聞く際、感染拡大を引き起こす出来事を避けるために空席のままである。
AFP