
Najia Houssari
ベイルート:レバノンの不安定な通貨が闇市場で史上最安値を記録する中、土曜日にはレバノンのスーパーマーケットが販売を停止し、企業も休業した。
為替レートが1ドル12,000レバノン・ポンド(LBP)を超えたことで路上はパニック状態に陥り、店主や大手小売店は損失の発生を避けるために商品の販売を中止した。
状態の不安定化が進むレバノンで警戒感が高まる中、山岳レバノンにある労働者階級地域の活動家はモスクの尖塔に登り、人々に街頭に出るよう呼びかけた。
「10月17日革命」のスポークスマンは、「我々は、腐敗した体制が崩壊するまで広場に留まる」と話した。
ベイルート市街地の殉教者広場に集まった数百人のデモ参加者は、国会への道を塞ぐ金属製の柵を叩き、道路を封鎖している治安部隊に石を投げつけた。
デモ隊と治安部隊の間で激しい衝突が発生した後、機動隊が催涙弾を発射した。
この3日間、レバノンの通貨は対ドルで9,000LBPまで上昇した後、10,000LBPまで下落するというジェットコースターのような動きを見せていた。
しかし土曜日には劇的な暴落が起こった。オンライン為替取引プラットフォームの閉鎖にもかかわらず下落は時間の経過と共に進み、レバノン・ポンドは対ドルで11,750LBPから12,200LBPまで下落した。
エコノミストのルイス・ホベイカ氏はアラブニュースの取材に対し、「ドルへの強い需要は、国内の信頼性の低下が原因だ。人々は将来についてパニックに陥っている」と話した。
ホベイカ氏は、銀行がドルを買い占めているという考えを否定した。
「レバノン市場でのドル取引量は250万ドルを超えていない。銀行はリバン銀行の要請を受けて共同で資本を増やしたいと考えており、35億ドルが必要だが、これはレバノン市場では調達できない」
デモ参加者は各地から殉教者広場に集まり、退役軍人が多くのグループを率いていた。
デモ隊はレバノン国旗を掲げ、拡声器から革命や愛国の歌を流し、怒りのスローガンを唱えていた。
リバン銀行付近のデモ隊はベイルート港で起きた爆発事故の犠牲者の遺族と共に、爆発事故の調査を強化し、調査が政治的な影響を受けないよう要求した。
バールベックでは経営者たちが店を閉めた後、道路を封鎖した。
シドンではドライバーらが車で道路を封鎖し、ティルスでも街頭で抗議活動が行われた。
ベカー地方では燃料市場の状況に対する不安が高まる中、一部のガソリンスタンドがガソリン1缶に7万レバノン・ポンドの値をつけていた。
ガソリンスタンド経営者連合会のメンバー、ジョージ・アルバラクス氏は、「ガソリンや軽油の供給危機は全くない」と述べている。
アルバラクス氏は、「リバン銀行による輸入企業や石油施設の船舶に対する信用状開設の承認に伴い、燃料供給を維持するために流通は合理化されるだろう」と述べた。
レバノンでは、ミシェル・アウン大統領と首相に指名されたサード・ハリリ氏の間のこう着状態に終りが見えない中、パニックが高まっている。
Rola Tabsh Jaroudi議員はアラブニュースに対し、「政府樹立を妨害している者は、街頭での混乱の責任を負わなければならない」と話した。
「ハリリ氏の立場は最初から明確で、ハリリ氏が提案した内容は諸外国からも承認されている。ハリリ氏は今後も政府樹立に取り組むだろう」
自由愛国運動がハリリ氏の退陣を求めていることについて、Tabsh Jaroudi氏は、「ハリリ氏は国会議員によって任命された首相だ。ハリリ氏は提案したものを取り下げることはないし、持ちかけられている取引に応じることもない」と述べた。
Tabsh Jaroudi氏はまた、「人々は飢えている。自分たちの声を届けるために街頭に出るのは彼らの権利だ」と述べた。