
ドバイ:実用主義的考えを持つイランのロウハニ大統領は水曜日、強硬な反対派が米国の制裁を解除するための取り組みを妨害していると非難した。この発言はイランで予定されている選挙がどのように米国の新政権による緊張緩和計画に影響を与えているかを示している。
ハサン・ロウハニ大統領はテレビ番組で、「いかなる派閥や人物であれ、制裁の解除を1時間でも遅らせることはイラン国民に対する大きな背信行為だ」と述べた。
「この道を妨害している少数派は、その破壊的な行為を止めなければならない。もし妨害が止まれば…… 政府は制裁を解除させることができる」とロウハニ氏は詳細を省いて付け加えた。
米国のジョー・バイデン新政権は前任のドナルド・トランプ氏が破棄した合意を復活させることを目指している。合意の下で、イランは国際的な制裁の解除を得る代わりに核開発計画の制限を受け入れていた。トランプ氏が合意を破棄して制裁を再開した後、イランは合意による核開発制限に違反する措置をとった。
これまでのところ、イランとバイデン政権はどちらが先に合意を復活させるべきかで対立している。イラン政府は米国政府に先に制裁解除を行うよう要求し、米国政府はイラン政府に先に合意遵守を再開するよう求めている。
ロウハニ氏は2日、「現在、制裁解除の条件はかつてないほど良くなっている」とし、「米国側は、合意に復帰することを望んでいる」と述べた。ロウハニ氏は、「だが、言葉だけでは十分ではない。我々は行動を待っている」と付け加えた。
ロウハニ大統領の盟友ジャバド・ザリフ外相は今週、核合意の復活に向けて早期に進展がなければ、6月18日に予定されているイラン大統領選挙によって外交が数か月間停止するだろうと述べた。
フランスの外務大臣は火曜日、核合意の復活を妨げているのは選挙前のイランの政治だと非難した。
行き詰まっている核合意は実用主義的な考えを持つロウハニ氏の主要政策だ。ロウハニ氏は過去2回の大統領選挙でイラン経済を世界に開放することを約束し、強硬な反対派に地滑り的勝利を収めた。
ロウハニ氏は3期目の立候補を禁じられており、候補者のリストはまだ最終的に決定されていない。
イランの強硬派は、米国の制裁は敵に歩み寄るというロウハニ氏の政策が失敗したことを証明するものだとしている。核問題の進展が遅れれば、穏健派がロウハニ氏の後を継ぐ可能性に打撃となるが、外交的イニシアチブの最終決定は選挙で選ばれた大統領ではなく、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が下すことになる。
ロイター通信