
ムハンマド・アブ・ザイード
カイロ:スエズ運河庁の長官は12日、コンテナ船「エバーギブン」の座礁による損失や損害は10億ドル以上に上る可能性があると述べた。
オサマ・ラビー氏はメディアに対し、重要な貿易水路が1週間近くにわたって航行不能となった事故の調査を水曜日に開始したことを明らかにした。
月曜に離礁に成功した巨大船が横向きになって運河を塞いでしまった詳しい原因については、船のブラックボックスレコーダーからわかるだろう、と彼は付け加えた。
当局によると、数百隻に及ぶ渋滞は順調に解消されており、エバーギブン号は現在、スエズ運河から離れた場所に係留されて検査を受けているという。
ラビー氏は、補償額について合意が得られればエバーギブン号の航海継続が認められるとした一方で、和解が成立しなければ同船は拘束され続けるだろうと警告した。「この船は35億ドル相当の商品を積んでいます。事故の間、船を所有する会社は協力的でした」と述べた。
同氏は、海洋、法律、損害評価、工学の専門家を含むチームが、今回の国際的な海運事故の調査を行っていることを指摘した。またエジプト人の賠償請求額は10億ドルを超える可能性があると述べた。
運河が閉鎖されたことで、世界の貿易は1日あたり数十億ドルに相当する影響を受けた。月曜日には1,134隻、火曜日には81隻の船舶がスエズ運河を通過した。大型のコンテナ船が優先的に通された。
ラビー氏によると、エジプトのアブデル・ファタフ・エル・シシ大統領は、今回の事故で影響を受けた船舶に対する報償として、5%から15%の減免を指示したという。
「エル・シシ大統領は、毎日私と連絡を取り、座礁した船の問題の最新状況を確認していました。月曜日の早朝に、大統領は船が移動されたことを発表しました」とラビー氏は付け加えた。
エバーギブン号を離礁させるための困難な作業に携わった800人の作業員にはボーナスが支給されることになっており、エル・シシ大統領も彼らのために祝賀式典を開催することを約束した。
世界的な格付け会社であるDBRSモーニングスター社は、船が運河を塞いでいた期間が比較的短かったことから、保険の対象となる損失総額が過度に膨れ上がることはないだろうと述べた。また、ほとんどの保険契約では補償額の上限が設定されていると付け加えた。