
エルサレム:東エルサレムで、ラマダン中に多くの人が集まる人気の場所を警察が封鎖したことによりパレスチナ人とイスラエル警察が衝突し、パレスチナ人4人が負傷したと、パレスチナ赤新月社が4月19日に発表した。
これとは別に、歴史的にアラブ人エリアであるテルアビブのヤッファ地区では、住民がラビ(ユダヤ教の指導者)を襲撃した。この指導者は、アラブ人が多く住む地域でユダヤ教の神学生のために住宅用の土地を取得しようとしていた。この襲撃により警察との間で衝突が起きた。
イスラエル警察は、この衝突で3名を逮捕したと発表した。衝突の最中、警察は城壁に囲まれた旧市街の門の外に集まった大勢の人々を催涙ガスと放水銃で追い払い、この様子を映した動画がツイッターに投稿された。
警察によると、群衆は石や爆竹で警官たちを襲ったが、死傷者は出なかった。
パレスチナ赤新月社によると、群衆のうち4人が負傷した。
イスラム教の聖なる月であるラマダンでは、信者は夜明けから夕暮れまで断食をする。日没後に旧市街の城壁の周りの遊歩道は、パレスチナ人が集まる人気の場所となっている。
宗教シオニズム同盟のベザレル・スモトリッチ氏とイタマー・ベングビル氏らの極右議員2名が4月18日の夜、旧市街の外に配備された警察を訪問した。
「私たちは、どんな小さな違反も容赦せず厳格に処し、すべての犯人を裁きにかけるべきです」と、スモトリッチ氏はツイートした。
ヤッファ地区では、住民がユダヤ教神学校のラビ・エリヤフ・マリ校長を襲ったことで騒乱が始まったと警察は述べ、30代の容疑者2人を逮捕したと付け加えた。
襲撃後、ヤッファの住民らは、路上で神学校の学生たちとにらみ合った。住民が爆竹と煙を上げる中、イスラエルの機動隊は馬に乗って近隣を巡回した。
警察は、警官2人が石と爆竹で襲われて負傷したと発表し3人が逮捕された。
この神学校の責任者モシェ・センドビッチ氏は、この襲撃が起こったとき、同氏とマリ校長は、学生寮の候補地を視察していた、とイスラエルの公共ラジオで語った。
同氏によると、彼とマリ校長は殴られ、平手打ちを受け、蹴られ、ラビの眼鏡が投げ捨てられたという。
センドビッチ氏によると、この神学校は、アラブ人が大部分を占めるヤッファ地区のアジャミエリアにあり、地元のユダヤ人社会を活性化する取り組みとして建てられたものだという。
「ヤッファ地区のユダヤ人社会は、弱体化し存在感を失いつつありました。それで私たちは彼らを強化するために来たのです」と同氏は述べた。
ヤッファ地区のアラブ人住民であるサミ・アブ・シェハデ議員は、この神学校の推進者たちは、この地域の様相を変えようとしている、と述べた。
「彼らはさまざまな人が混ざり合う町にとって危険なイデオロギーを持っている」と同氏は語った。
AFP通信