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研究者がサウジアラビアの遺跡とペトログリフの発見に貢献している

ムルディ・ジャルバフ・アルファヒキ氏は、「ムスナディアン、タムディアン、ナバテアなどの古代文字は、アラビア語とそれほどかけ離れていない」と述べた。(提供)
ムルディ・ジャルバフ・アルファヒキ氏は、「ムスナディアン、タムディアン、ナバテアなどの古代文字は、アラビア語とそれほどかけ離れていない」と述べた。(提供)
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15 Mar 2022 08:03:35 GMT9
15 Mar 2022 08:03:35 GMT9

タレク・アル・タカフィ

メッカ:サウジアラビアの研究者であるムルディ・ジャルバフ・アルファヒキ氏は、タブーク、タイマー、北部地域の遺跡とペトログリフの発見に貢献し、世界各国で最高傑作として展示されている古美術品を発掘してきた。

アルファヒキ氏は20年以上前に同分野の研究に興味を持ち、フィールドワークでアラム、ダダーニ、ナバテア、タムードの各言語の碑文や、石器時代の人々の日常生活を描いた先史時代の絵などを発掘してきた。

同氏はアラブニュースに対し、「古美術に興味を持つ研究者として、これまでにアラム、レハヤニ、タムード語などの言語を含む24点以上の古美術品を国立博物館に提供した」と語った。「また、タイマー西部の累積埋葬場、タイマー南部の円形埋葬場、タイマーのグレートウォール近くの石造物など、最も重要な考古学遺跡に当局関係者を案内した」

私が提供した古美術品は、王国から諸外国に贈られた傑作品の中から選び抜かれたもの

ムルディ・ジャルバフ・アルファヒキ

アルファヒキ氏は、スルタン・ビン・サルマン王子の著書である「Friends of Antiquities(古美術の友)」の中で、古美術や碑文に興味を持つ人物として紹介されている。同氏は、「私が提供した古美術品は、王国から諸外国に贈られた傑作品の中でも選び抜かれたものだ」と付け加えた。

同氏は、「ムスナディアン、タムディアン、サファイト、リヒヤナイト、ダダーニ、アラム、ナバテアなどの古代文字は、アラビア語、特にもう使用されていないアラビア語や碑文アラビア語と呼ばれる古代アラビア語の方言から、それほどかけ離れていない」と述べた。

「方言は、南部と北部のものに分けられる。ダマスカスからアル・ウラーにかけての古代アラブ諸部族の地域には、碑文が多く残されている。岩に刻まれた記号、文字、碑文を読んで翻訳すると、北アラビア語のアルファベットは28文字から成り、科学的・歴史的・考古学的研究により、古典アラビア語であることが分かった」

「アラビア半島南部に広まった古代南アラビア語の方言は29文字から成り、文字の幾何学的な一貫性が重視されていた」

アルファヒキ氏によると、ヘジャジー・アラビア文字の元となったナバテア文字は、22個の子音文字から成る。ナバティア文字は、北アラブ部族が使っていた文字だが、同じく22の子音文字から成るアラム系文字であり、他の文字系列に属している。

この文字は、アラビア最北部に住んでいたアラム族によって使われていた。アラム族は、フェニキア文字からアラム文字を派生・発展させている。

同氏によると、「サウジアラビアの各大学、特に観光系や考古学系の大学は、半島に伝わる古代言語を教えていた。また、海外の科学センター(ミネソタのイスラム大学など)やヨーロッパ諸国(ドイツ、イギリス、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ロシアなど)の大学も、古代言語を教えていた」という。

アルファヒキ氏は、「東洋人は約200年前からアラビア半島にやって来て、半島の歴史を探り、遺産を研究していた」と述べた。

1837年にはドイツの言語学者であるエミール・リーダー氏が、そして1841年には彼の同胞であるヴィルヘルム・フィリップ・シンパー氏、更にフランス人のシャルル・ユベール氏がサウジアラビア北部にやって来て、タイマー、Jebel Hasma、マダイン・サーレハから約130点のタムディアン語碑文を収集した。

1882年、ユベール氏はヘイル地方でタムード語の碑文を収集した。彼はまた、タイマー、タブーク、アルウラ、アル・ジャウフに三度目となる旅行をし、約825点の碑文を収集した。

ドイツの研究者であるユリウス・オイティング氏もその後に続き、約800点のタムード語碑文を収集した。

イギリスの旅行家であるチャールズ・ドウティは、1875年と1877年にアラビア半島北部を探検した。ジョン・フィルビー、ランチェスター・ハーディングなど、多くの東洋学者もその後に続いた。

彼らはこの時期、タムード語、ムスナディアン語、ナバテア語など、多くの碑文を収集した。

アルファヒキ氏は、「これらの碑文は、王国の歴史と深く根付いた文明を語る歴史的な資産だ」と語る。

同氏は、「最古の馬の飼育、史上最古の人骨、古代貿易ルートなどの考古学的発見が示すように、サウジアラビアには様々な時代の古代碑文が何千個も存在している。まるで野外博物館のようだ」と説明した。

これらの碑文は、アラビア半島の社会、経済、政治、宗教に関する情報を伝えてくれ、名前、家族、部族、王国に関する多くの洞察を与えてくれる。

また、言語学的・聖書学的な内容も明らかとなっており、イスラム前時代を知る上で重要な史料となっている。

岩に刻まれた碑文からは、タムード語、サファティ語、サビ語、リヒヤニ語、ダダーニ語、ナバテア語、アラム語、ギリシャ語といった様々な古代文字や、初期イスラム教の文言などが発見されている。

これらの碑文は通常、王国の南北にわたる幅広い範囲に点在している。

ナバティア文字の碑文は、アル・ウラー、アル・ヒジュル、タブーク、タイマー地区に集中している。

タムード語の碑文は、主にヘイル、アル・ジャウフ、カシム、北部国境、タイマー県周辺のタブーク地区に集中している。

サビ文字とミネア文字の碑文は、王国南部のナジュラーアル・ウクドゥドン、ヒマ、アル・ウクドゥド、トゥワイク、アル・カワブ山地周辺、ワディ・アル・ダワシールにある最初のキンダ王国の首都アル・ファウ、Al-Khriba遺跡周辺のアル・ウラー地区などに点在している。

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