
イスラエル、メロン山:医療関係者によると、金曜日、イスラエルのかがり火をたく宗教行事で群衆の押し合いが発生し、数十人が死亡した。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は「大惨事」として言及した。
何万人もの超正統派ユダヤ教徒が毎年恒例の宗教行事「ラグバオメル」のために2世紀の聖人ラビ・シモン・バル=ヨハイのガリラヤの廟に詰めかけた。この行事では夜を通しての祈禱や歌、踊りが行われる予定だった。
保健当局の新型コロナウイルス感染症に伴う警告に反し、熱狂した群衆がメロン山の斜面を埋め尽くした。目撃者によると、大勢が通路で窒息したり踏みつけられたりしていたが、解散のアナウンスが行われるまで何も気づかなかった人もいたという。
イツァークと名乗る巡礼者は「怪しい荷物が見つかって(爆発の)警告が出たのかと思いました。この場所でこんな事故が起こるとは想像もしませんでした。喜びは悲嘆に、偉大な光は深い闇に変わってしまいました」とChannel 12 TVに語った。
「ラビ・シモンは世界を解放できると言っています…まさに聖なる日にあって彼がこの布告を取り消そうとしなかったというなら、私たちはもっと真剣に魂を求めなければなりません」。
マーゲン・ダビド公社救急サービスによると、死亡者も含めて103人が負傷したという。Channel 12は死者40人と報じた。目撃者の話では子どもも含まれている。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は今回の事故を「大惨事」だとし、「負傷者の回復を祈る」とツイッターに投稿した。
メロン山の「ラグバオメル」は、イスラエルはもちろん、その他はるか遠方からも人々が集まる大規模な集会で、1年以上前のコロナウイルスのパンデミック発生以降、最大の行事になると考えられていた。
救助隊が負傷者の救出を進める一方、警察は会場を封鎖し、混乱している人々に撤収を命じた。運輸省は、救急車や巡礼者のバスがスムーズに移動できるようにするため、現地付近の道路工事を中断した。軍用ヘリコプターは負傷者を病院に搬送している。
メロン山の廟はユダヤ教の世界で特に重要な聖地とされ、毎年巡礼が行われている。
ソーシャルメディアに投稿された動画から現場の混乱した状況が分かる。超正統派ユダヤ教徒の男性が破れたトタン板の隙間をよじ登り、衝突から逃れる様子が見える。遺体が回廊の担架の上に並べられ、アルミブランケットで覆われている。
コロナウイルス関連の規制により、昨年はメロン山で個人的にかがり火をたくことは禁じられたが、イスラエルの迅速なワクチン接種プログラムによって人口の50%以上の接種が完了したため、今年は都市封鎖措置が緩和されていた。
ロイター