モハメッド・アブ・ザイド

カイロ：エジプトは新型コロナウイルスに関連する幾つかの規制の解除を発表した。エジプト政府の報道官は、年内に国民の半数の接種を可能とする1日50万回のワクチン接種を実施する予定だと発表した。

エジプト内閣報道官のナデル・サード氏は、ワクチン接種の拡大が、予防措置の実施とともに感染状況の改善に寄与したとも指摘した。

そして、これまでに210万人が1回目のワクチン接種を終え、2回目の接種を終えた人も62万5000人に上ると述べた。

エジプト全土に設置された403か所のワクチン接種センターのほか、移動接種センターでの接種も行われている。感染リスクの高さから年金受給者である高齢者へのワクチン接種が進められていた期間中、移動接種センターは郵便局前に置かれていた。

サード報道官は、6月にはシノバック製ワクチン300万回分が製造されるとし、毎日、11万人が接種を受けていると述べた。

モスタファ・マドゥーリー首相は、「パンデミック期間中、我が国は全国民の健康と安全を守るために、あらゆる措置を講じる」と強調した。

首相は新型コロナウイルス危機対策に関する最高評議会の会合で発言した。

最高評議会はレストラン、ショッピングモール、カフェ等の午後9時以降の営業禁止措置を6月上旬から解除することに同意した。解除日以前に禁止措置に違反した店舗はただちに2週間の休業とすると警告している。

そして、公共の場、特に激しい混雑がみられる場所ではあらゆる感染予防対策が適用されるとし、新型コロナウイルスの感染予防措置に違反する者には罰金を課すとした。

また大人数が集まる場での感染対策が困難であることから、引き続き、屋外での結婚式のみを許可するとしている。

エジプトの統一調達・医療供給・技術管理庁のバハー・エル・ディン・ジダン長官は、アラブ首長国連邦（UAE）の企業との間で、新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」2000万回分をエジプトに供給するという契約を締結していると明らかにした。

また、アフリカ輸出入銀行がジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチン2000万回分の供給契約を結んだほか、シノバック製ワクチン100万回分の契約も締結されているとした。

保健​人口省のハーラ・​ザーイド大臣は、ワクチン調達に関する国際的枠組みCOVAX を通じて確保するアストラゼネカ製ワクチン190万回分のほか、6月上旬にシノバック製とシノファーム製のワクチン200万回分を入手できる見通しだと述べた。

ザーイド大臣はシノバック製ワクチンのエジプト現地生産・供給計画について、年内に4000万回分との見通しを示した。

大臣は、登録した人へのワクチン接種をできるだけ早期に完了できるよう、接種センターの増設などの取り組みを進めていると強調した。