
ジョルジ・アザール
ドバイ:レバノンのハッサン・ディアブ暫定首相が6日(火)、「社会の爆発」を避けるための支援を国際社会に訴え、警鐘を鳴らした。
テレビ演説のなかでディアブ氏は、レバノンは「国外に影響を与える」であろう大惨事の瀬戸際にあると警告した。
10ヶ月以上暫定的に内閣を率いているディアブ氏は、政府は「現在陥っている窮地からこの国を救い出すためには、友好的な国々」からの支援を必要とするだろうと述べた。
200人以上の死者を出した2020年8月4日のベイルート港での大爆発の直後にディアブ氏が辞任して以来、レバノンには十分に機能する政府が存在していない。
10月には、首相を務めるのは3度目となるサアド・ハリーリ氏が65人の国会議員の票を得て、新政府を形成するよう指名された。
しかし、ハリーリ氏やミシェル・アウン大統領を含む同地の政治勢力間の内紛のさなかで、新政府はまだ日の目を見ていない。
危機に襲われている同国の憲法は、両人が政府の構成について一致し同意しなければならないと規定している。
「レバノン国民は忍耐強く、この長く待つことの重荷に耐えています。しかし、苦難が高まる中、彼らの忍耐は尽きようとしている」とディアブ氏は述べた。
同国の通貨が91パーセント以上も価値を失い、基本的な生活必需品の大部分が手の届かないものになる中、人口の60パーセント以上が貧困ラインを下回っている。
食料不安は蔓延しており、燃料不足は病院、製パン所、家庭に打撃を与えている。
レバノンの4つの発電所のうち2つは、現在わずかな燃料供給で作動しており、国営の電力事業体レバノン電力は、減少しつつある軽油のたくわえが尽きたら発電所を止めねばならないと警告している。
一方、欠乏は国営の電気通信事業者Ogeroにも及び、同社は発電機と事業所のネットワーク接続を維持するために苦闘している。
インターネットの停止を避けるために、議員たちとOgeroはサービスの運営を維持するのに十分な燃料を確保するための追加資金を手に入れようとしていると、国会議員のフセイン・ハッジ・ハッサン氏は5日(月)に話した。
ベイルートに先週末に戻ったハリーリ氏は、5日にナビ・ベリ議会議長と面会し、政府形成の交渉をめぐる最新の情勢について話し合った。
この交渉に近い筋によると、ハリーリ氏は、こう着状態が続き打開策が見つからない場合には退陣する意向である。
「彼がもし退陣するのなら、今度の議会選挙を考慮すると、その支持母体における彼の人気を損なわない形でなされるでしょう」と情報筋は語った。
政治の支配階級に対し集団的な抗議運動が起きてから2年半以上後となる2022年5月に、レバノンでは議会選挙が予定されている。