
エルサレム:イスラエルは7日、占領下のヨルダン川西岸地区ヒルベト・フムスのベドウィン(遊牧民)の集落コミュニティを取り壊した。これは仮設住宅に住むパレスチナ人集落の排除に向けたイスラエル軍の一連の措置の、最新のケースと見られている。
取り壊しにより35人の子供を含む少なくとも65人が家を失ったと、EUの支援を受けて住民たちを援助している国際援助団体、ヨルダン川西岸地区保護コンソーシアム(West Bank Protection Consortium)のクリストファー・ホルト氏は述べた。
村人たちは主に約4,000頭の羊の放牧により生計を立てているが、過去1年間で取り壊しにより、少なくとも5回は家を失っている。過去の取り壊し後には、EUが住民の暮らしの再建を支援してきた。
その集落に居合わせたホルト氏によると、イスラエル軍は午前9時に事前の警告もなく現れ、住民に退去するよう求め、拒否されると仮設住宅の取り壊しを始めたのだという。「事態の悪化は深刻です」とホルト氏は言う。
ナフタリ・ベネット首相の連立政権によるイスラエル政府は、撤去された集落は軍の射撃練習場の真ん中に違法に建設されたものだとしている。
イスラエルの治安当局者は、政府は住民側と数ヶ月にわたる話し合いを行い、付近の代替地の提供も提案していたと述べた。
ホルト氏は、住民たちは事前の警告も受けず、猛暑の中、行き場を失ってしまった、と語る。 2月の前回の取り壊しの時には、住民は暗くなる前に羊を呼び戻そうと、わずか数分後には柵の修理に取り掛かっていた。
ヨルダン渓谷の上、なだらかな高地に位置するヒルベト・フムスは、エリアCと呼ばれる、1990年代からの暫定和平協定の一環としてイスラエルの完全な支配下にあるヨルダン川西岸の60パーセントを占めるエリアの一部である。
ヘルツォグ新大統領就任
アイザック・ヘルツォグ氏(60)は7日、イスラエルの第11代大統領に就任し、イスラエル社会の深い分裂を克服することを約束した。イスラエル議会の前で聖書に方手を置いて就任宣誓を行ったヘルツォグ新大統領だが、同国では大統領は国の道徳的な指針を示す、内実は概して儀式的な地位とされている。
ヘルツォグ新大統領は「すべての人の大統領」になることを約束し、すべてのイスラエル人のそして「私からの、私たち全員からの最大の期待は、冷静になり、争いを鎮め、状況を落ち着かせることです」と語っている。
AP