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自由で公正なパレスチナの選挙には、東エルサレムの参加が不可欠 国連専門家が指摘

イスラエルが併合した東エルサレムのシェイク・ジャラ地区のパレスチナ人居住エリアで、パレスチナ人家族が自宅から退去させられたことに抗議するパレスチナ人とイスラエル人の活動家たち。(ファイル写真:AFP )
イスラエルが併合した東エルサレムのシェイク・ジャラ地区のパレスチナ人居住エリアで、パレスチナ人家族が自宅から退去させられたことに抗議するパレスチナ人とイスラエル人の活動家たち。(ファイル写真:AFP )
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27 Jul 2021 11:07:32 GMT9
27 Jul 2021 11:07:32 GMT9
  • 占領国であるイスラエルは、東エルサレムでの選挙を認め、パレスチナ人の権利と日常生活に干渉しないと明確に述べなければならない

  • 専門家たちはまた、パレスチナの指導部に対し、民主的プロセスを阻害する「不当な」法的障壁を取り除き、選挙の日程を迅速に再設定するよう求める

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク:国連の人権専門家は、パレスチナ自治政府およびイスラエル双方に、パレスチナの大統領選、議会選、地方選の各選挙を「非常に近い将来」にスケジュールし直し、それらが「平和で信頼できる」選挙になることを保証するよう求めている。

今年4月、パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、当初5月と7月に予定されていた選挙を、「エルサレムに住む人々の参加が保証されるまで」延期する大統領令を公布した。

アッバース大統領は、パレスチナ人が東エルサレムで投票できるかどうかが不確実なのはイスラエルが原因だとして同国を非難した。

国連の人権専門家たちは、選挙延期について懸念を表明し、「長年の内部の政治的分裂に対処し、説明責任のある制度を強化し、パレスチナ人の国家および個人に関する基本的権利を現実化する」ための重要な一歩を踏み出す手段としての選挙の重要性を改めて指摘した。

今回発言している国連の専門家には、パレスチナ自治区の人権状況に関する特別報告者 マーティン・リンク氏、表現の自由の権利の保護に関する特別報告者 アイリーン・カーン氏、平和的集会および結社の自由の権利に関する特別報告者 クレマン・ニャレツォッシ・ヴール氏らが含まれている。

特別報告者は、国連の人権理事会で、個人の立場で、そして自発的に責務を果たしている独立した専門家である。彼らは国連の所属ではなく、報酬も受け取っていない。

特別報告者たちは占領国であるイスラエルに対し、民主的なプロセスが妨げられることなく行われることを「はっきりと述べる」こと、そして「パレスチナ人の権利と日常生活にできる限り干渉しない」ことを求めた。

パレスチナ解放機構(PLO)とイスラエルの間の1994のオスロ合意は、東エルサレムのパレスチナ人が選挙に参加する権利を規定している。

同暫定合意の第11条は、「双方は、ヨルダン川西岸とガザ地区を単一の領土単位と見なしており、その完全性と地位は暫定期間中も維持される」と明確に述べている。

パレスチナ人が最後に選挙に参加してから15年が経過している。以前の選挙では、東エルサレムのパレスチナ人たちは、困難はあったものの、投票を許可されていた。

2006年の選挙前には、イスラエルはパレスチナ立法評議会の議員を立て続けに逮捕し、エルサレムの身分証明書を取り消し、候補者がエルサレム市内で選挙運動を行うことを禁止し、公開の会合と集会を禁止した。

国連の専門家たちは、イスラエルによる東エルサレムおよびその政治的・法的地位に対するいかなる変更も「無効」であるとする国連安全保障理事会と総会の声明に言及し、現在のタイミングを「世界が、民主主義と国際法の名においてこれらの公約を確認する絶好の機会」だとしている。

専門家たちはパレスチナ自治政府に対し、「非常に近い将来」に選挙の日程を再設定するよう求め、「有権者、候補者、政党、その他参加者たちの民主的権利が、占領国を含むすべての人々に完全に尊重される」よう求めた。 

「統治当局による逮捕や拘禁、政治集会や選挙運動の妨害は、国際人権保護とはまったく相容れないものです。」

人権専門家たちはまた、パレスチナ自治政府が次の選挙に向けて施行した、各政治団体は2万ドルの登録料を支払うこと、市民組織で働いている候補者は立候補に際して現在の職を辞することなどを定めた資格規則に「不安を感じている」と述べた。

専門家たちは、これらの規則は「不当な障害を生み出し(そして)民主的プロセスへのパレスチナ人の完全かつ自由な参加を妨げるように思われる」と指摘し、こうした障壁を生むような法律は撤回するようパレスチナの指導部に呼びかけた。

人権専門家たちは次のような結論を示している。「私たちは、固定化したした過酷な占領状況の中で自由で公正な民主的選挙を実施する、という課題の困難さを過小評価はしていません」

「私たちは、パレスチナの選挙の成功に向けた国際社会、特に欧州連合と国連からの支援を高く評価しています。しかし、異なる立場のすべての国々が民主主義と人権の価値を尊重してこそ、選挙は信頼性を勝ち得て、特に若いパレスチナ人のための政治刷新への扉が開かれるのです。」

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