
エルサレム:17歳のパレスチナ人が、ヨルダン川西岸のラマッラー近郊での衝突でイスラエルの銃撃を受けて首を負傷してから2ヵ月が経った26日に死亡したと、パレスチナ保健当局が発表した。
銃撃は、5月のイスラエル・ハマス間の11日間にわたる戦争中に、パレスチナ人デモ隊とイスラエル軍との間で発生した数多くの衝突の中の1つで起こった。この戦争は、2007年に同過激派組織がガザ地区を掌握して以降では4度目の紛争だ。
パレスチナ保健当局の声明によると、ユセフ・ナワフさんは、5月14日の銃撃による首の怪我で脊髄を損傷し、危篤状態になった後、死亡したという。
国連によると、5月の戦闘中に、ヨルダン川西岸地区では少なくとも26人のパレスチナ人が死亡したという。
ガザでは子ども67人、女性39人を含む少なくとも254人が死亡し、一方のイスラエルでは、子ども2人と兵士1人を含む12人の民間人が死亡した。
イスラエルは1967年の戦争でヨルダン川西岸地区を占領した。
パレスチナ人は、将来の独立国家の中心地として、この土地を求めている。
23日には、ナビ・サレでの衝突で、別のパレスチナ人の若者モハメド・タミミさん17歳がイスラエル軍によって射殺された。
ナビ・サレ村は、パレスチナ人が自分たちの土地だと主張する近くのイスラエル入植地の拡大に反対して、数多くのデモが行われてきた場所だ。
イスラエルは25日、パレスチナの飛び地ガザから発射された風船爆弾がイスラエル国内で火災を起こしたことを受けてガザを空爆した。双方に負傷者は報告されていない。
イスラエルの攻撃は、ガザ北部の空き地と、ガザ地区を支配するイスラム教組織ハマスの南部ハーンユーニスにある軍事訓練施設を標的にしたと、パレスチナの治安当局は述べた。
今回の攻撃は、封鎖されている沿岸地域ガザの沖合の漁業区域をイスラエルが半減させた後に行われた。これはガザの武装集団が発射体による攻撃を行った後によく見られる対応だ。
イスラエル軍は、今のところこれらの攻撃についてコメントを出していない。
しかし、パレスチナ自治区の民事を担当する軍の支部(COGAT)は、漁業区域が12海里から6海里に縮小されたと発表した。
「この決定は、ガザ地区からイスラエルに向けて継続的に風船爆弾が発射されたことを受けて行われた。このような発射行為は、イスラエルの主権侵害を成すものである」と、COGATは声明の中で述べた。
ハマスは「ガザ地区内のあらゆる活動、および、イスラエルに向けてガザ地区内で行われたあらゆるの行動に責任を負う」と、COGATは述べた。
「従ってハマスは、イスラエル国民に対して行った暴力行為の結果について、責任を負うことになる」。
イスラエルの消防隊員はこれまでに、国境近くのエシュコル地域の3ヶ所で発生した雑木林火災を消火したと発表しており、その原因は「風船爆弾」だったとしている。
風船爆弾は、イスラエルが封鎖しているパレスチナの飛び地ガザの周囲の農地に火をつけることを目的とした簡易装置だ。
7月12日、イスラエルはガザ沖の漁業区域を再拡大し、パレスチナ自治区への追加輸入を許可すると発表したが、新たな騒動への対応としてこの措置が撤回される可能性はあると警告した。
AP通信/AFP通信