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レバノンの腐敗と戦うための鍵は集団行動であると専門家が指摘

2019年10月20日日曜日、レバノンのベイルートでデモ中にプラカードを掲げる抗議者たち。(AP)
2019年10月20日日曜日、レバノンのベイルートでデモ中にプラカードを掲げる抗議者たち。(AP)
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29 Jul 2021 02:07:47 GMT9
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  • 新しい研究論文によると、レバノン国家は「構造的腐敗と説明責任の欠如の上に構築されている。現制度は実質的には崩壊している」
  • 回復は可能だが、市民社会グループ、メディア、民間組織、その他の活動家が協力して支配層エリートに立ち向かい、変革を促すことが必要となる。

サラ・グラブ

ロンドン:専門家によると、レバノンの政治的および経済的危機は解決可能だが、それには集団行動、市民社会の動員、そして連携を図ることが必要となる。

The Public Sourceの研究者兼データアナリストであるカリム・メルヘジ氏によると、1990年の内戦終結以来、政治エリート層の腐敗がレバノンの回復と発展を弱体化させており、同国が現在直面している前例のない社会経済危機に至った。

レバノンは、内戦後の政治・経済システムの基盤が国民に利益をもたらすはずの資源開発の上に構築される過渡期にある、とメルヘジ氏は述べた。

メルヘジ氏の発言があったのは、ロンドンのシンクタンクであるチャタムハウスが主催した、同氏の新たに発表した研究論文「Breaking the Curse of Corruption in Lebanon(レバノンにおける腐敗の呪縛からの解放)」の討議の間だった。

同氏によると、「現在の状況は構造的腐敗と説明責任の欠如の上に構築されている。現制度は実質的には崩壊しており、私たちはまだ何が起こるかわからない時期にいる。レバノンの政治的階級でさえ何が起こっているのか分かっていない。ほぼ10か月もの間、組閣することなく時を過ごしている。」

26日月曜日、大富豪の実業家ナジブ・ミカティ氏がレバノンの次期首相に選出され、国を不況に陥れた政治的行き詰まりの年を終わらせるために組閣する任務を担った。ミカティ氏は以前、2005年と2011年に首相を務めており、この役職に選出されるのは3回目となる。

ミカティ氏は、新内閣形成に関するミシェル・アウン大統領との9か月にわたる交渉が失敗した後7月15日に辞任したサアド・ハリーリ氏の後任となる。ハリーリ氏の辞任後、すでに暴落していたレバノン通貨の価値は、過去最低を記録した。

先月、世界銀行は、レバノンが19世紀半ば以来の三大不況の一つに数えられる経済崩壊に耐えていると述べた。同機関によると、人口の半数以上が同国の貧困線を下回っていると考えられており、6月に「空腹のままあるいは食事を抜いて眠りについた」人々の30%は子供たちで、経済危機の「矢面に立たされている」。

2020年8月9日日曜日、レバノンのベイルート港を襲った爆発現場の前にレバノン市民が書いた言葉。(AP)

メルヘジ氏の論文は、レバノンの腐敗防止法を吟味し、それが機能していない理由を調査し、政府、国際社会、市民社会が取るべき行動を提案する。

「レバノンの腐敗防止イニシアチブは、最近採用された国家の反腐敗戦略によって完結し、効果がないと考えられる」と同氏は書いている。

「2019年後半から2020年初頭にかけての蜂起に続き、レバノンの政治エリート層は自分たちの地に堕ちたイメージを回復し、場合によっては大いに必要とされていた国際資金を獲得するために、国際社会とレバノンの有権者に対しこれらのイニシアチブを発表した。」

メルヘジ氏によると、戦略と新たな法律は紙面では称賛に値するように見えるかもしれないが、「レバノンの支配層エリートには透明性を持って関与する政治的意思が欠如しており、独立した司法制度がなく、エリート層は私的利益を得るために国の資源を利用しており、法律を実行不可能にするために官僚制が利用され、さらに支配層エリートが国の広範な反腐敗戦略を管理しているという事実」により、不十分な実施となる可能性が高い。

同氏は、腐敗との戦いには多大な努力が必要とされ、一夜にして結果を出すことはできないと警告した。政府は国家腐敗防止委員会の設立を優先し、確実に司法制度が独立して政治的階級に縛られたり従属したりしないようにすべきだ、とも付け加えた。

「過去2、3年間、特に2019年10月の蜂起の後、多くの集団組織化が見られた。また、言論の自由を保護するため、代わりとなるシンジケート(および)草の根組織やイニシアチブの出現も見られるようになった」とメルヘジ氏は述べた。

多くの資金がレバノンに流れ込んでおり、さらに増えると予想されている。メルヘジ氏は、援助が腐敗した役人のポケットではなく、それを必要とする人々に直接行き渡るようにするための透明性戦略を実施するよう国際社会に呼びかけたと付け加えた。

レバノンの共和党国際研究所の市民社会関与ディレクターであるダイアナ・カイシー氏は、特に非公開で行われ、議事録が一般公開されない議会内委員会の会議では、透明性を大いに高める必要があることに同意した。

「私たちはテーブルにつき、こうした協議に参加し、これらの法律を起草する必要があります。そのようにして、その法律が実行可能であり(さらに)無力で抜け穴がある法律ではないことを確認します」と同氏は述べた。

カイシー氏は、すべての政府関係者が腐敗しているわけではなく、鍵となる人物を利用する様々な利害関係者を巻き込んだアプローチを用いる必要があると付け加えた。

少しずつ、いつかは国民が望む変化が実現可能になるだろうと同氏は述べた。「現在、他に方法はないと思いますし、それが私たちに希望を与え、終始働いている理由になっているかもしれません」とも付け加えた。

Tamayyazの企業統治コンサルタントであるバドリ・ミウチ氏は、レバノンでの腐敗防止の取り組みを支援したい国や機関は、メディア、市民社会グループ、民間組織、その他の公の場で緊密に協力するべきであると述べた。同氏によると、選挙も重要だが、克服すべき大きな課題がある。

「彼らは非常によく組織されており(さらに)自由に使える驚くほどの財源を持っているので、私たちは資金面と同様に、自分たちをより上手く組織化する必要があります。また、彼らはとても創造的なので、それよりもっと創造的になる必要があります。」とミウチ氏は述べた。

レバノンでは来年、地方選挙、議会選挙、大統領選挙がそれぞれ予定されている。

とはいえ、現場で起こっていることに希望はあると同氏は付け加えた。

「心強いことですが、過去2年間で変わったのは、恐れの形が変化したことです」とミウチ氏は話した。「数年前には、政治家が公の場に現われると、誰もが握手して一緒にいるところを見られたいと思っていました。

「今は勇敢な市民がおり、これは腐敗との闘いにおける新たな要因です。市民社会において私たちにできることは限りがあるからです。」

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