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イエメンの子どもたちは学校に通わず、苦しく危険な仕事をしている

イエメンのサヌアの溶接作業場で鉄の棒を切断するザカリア・ナギーブさん。(ロイター通信/ヌサイバ・アルムアーレミ)
イエメンのサヌアの溶接作業場で鉄の棒を切断するザカリア・ナギーブさん。(ロイター通信/ヌサイバ・アルムアーレミ)
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09 Aug 2021 11:08:26 GMT9
09 Aug 2021 11:08:26 GMT9

サヌア:15歳のハリス・マンスールさんは、学校に通う代わりに、イエメンの首都サヌアの小さな店で、鶏の首を絞めたり、羽をむしり取ったり、客のために新鮮な肉を袋詰めしたりして日々を過ごしている。

彼は、6年間の戦争の被害が国をさらに深刻な貧困と飢餓へと陥れている中、家族を食べさせ、一家を養うために働いている数え知れないほど多くのイエメンの子どもたちの1人だ。

「父は家計を一人で賄うことができないので、僕がこの仕事をしなければならないのです…学校やその他のことに使えるお金はありません」と、中学2年生のときに勉強をやめたマンスールさんは語った。

首都には他にも同じく15歳のアブド・ムハンマド・ジャマレスさんがいる。彼はサンダルとシャツを身にまとい、コンクリート構造物に使用する長い鉄筋を路上で切断している。

彼の故郷のイエメン西部のフダイダでの戦闘により、両親と8人の兄弟姉妹は2年前に近くの田舎町に避難した。父親は具合が悪く働けないため、ジャマレスさんと彼の兄弟はサヌアに引っ越した。

ジャマレスさんは1日に3000から4000リヤル(6から7ドル)を稼いでいるが、半分以上は食費や家賃に消え、家に送るお金はほとんど残らない。

「以前は、勉強して、座って、神に感謝していたものです。食べ物や飲み物が簡単に手に入り、全て上手くいっていました。でも、今は大変です…小麦粉1袋が1万8000から1万9000リヤル。以前は5000から8000リヤルだったのに」と、彼は語った。

戦争で疲弊した経済の物価上昇は、イエメンにはびこる飢餓危機の主な要因となっている。国連のデータによると、イエメンの最低限の食料バスケットのコストは、今年20%以上上昇したという。

2014年末に今回の紛争が勃発する前、イエメンは国連と連携して児童労働の削減に取り組んでいた。就労可能な最低年齢は14歳、危険を伴う仕事の場合は18歳となっていた。

しかし、子どものための組織、ユニセフは、戦争によって学校に通えていない子どもの数が2倍以上の200万人に増加したとしている。

家計が限界に達する中、少女はより早い年齢で結婚し、少年は兵士として採用され、子どもたちは労働に送り出されている。この6年間に、3600人以上の子どもたちが、武力紛争に駆り出されていると、国連は発表している。

16歳のザカリア・ナギーブさんは、2年前にサヌアの金属加工所で働き始めた。

「働くことになったのは、こんな状況(戦争)だからです…この仕事で私たちは日々の糧を得られるのです」と、鉄を削るときに出る火花が無防備な彼の顔周辺に飛び散る中、ナギーブさんは語った。

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