
ジョルジ・アザール
ドバイ:レバノン最古で最も高名なベイルート・アメリカン大学は、同国の燃料危機が悪化する中キャンパスの電気の配給制を始めた。
ベイルート・アメリカン大学医療センターを含む64の建物で構成される同大学のキャンパスでは、燃料不足により中央空調設備の運転を中止する。
アラブニュースが確認した教員・スタッフ宛の通知によると、これは「特に医療センターの重要度の高い設備を優先する」ためとして、月曜から実施された。
人事部長のサマル・ディアブ・ルーハナ氏によると、この決断は「国内の燃料供給の中断」および同大学の貯蔵燃料が危機的な基準値にまで減少したことを受けてのことだという。
配給制は8月22日まで行われ、「重要度が極めて高い研究室や熱に弱い資材・設備を擁する建物には例外措置が講じられる」と、サマル氏は述べた。
1866年に設立された同大学は、教員および生活に必要不可欠ではない仕事に従事するスタッフの全員に対し、8月13日から20までリモート勤務を要請した。
「期間中、キャンパスの施設部門では燃料の確保と大学の貯蔵燃料の補充に向けて引き続き取り組んで」いくと、通知の続きには書かれていた。
同大学にコメントを求めようと試みたが、連絡がつかなかった。
レバノンでは厳しい燃料不足によりガソリンスタンドに長蛇の列ができる状態が何カ月間も続いており、電力を民間事業者に依存する地中海の小国は何時間にもわたり電気のない状態を強いられている。
一方、国営のレバノン電力はほとんどの地域にわずか2、3時間分の電力しか供給できていない。
燃料不足は隣国シリアへの密輸、買いだめ、そして資金不足に陥った暫定政府が燃料調達のためのハードカレンシー(国際通貨)を確保する能力がないことが原因とされる。
中央銀行の外貨準備高が危機的な基準値に達すると、ハッサン・ディアブ暫定首相は6月25日、「以後3カ月間にわたり」1ドル=3,900レバノンポンドのレートで輸入燃料を調達することで補助金を部分的に解除することを「例外的に承認」したが、ほとんど効果はなかった。
ガソリン価格が上昇を続ける一方、国内の燃料危機を緩和する試みは短命に終わった。
レバノンのガソリンスタンドでは月曜、緊張状態からナイフ、銃、手榴弾が飛び交う暴動へと発展し、男性3人が死亡した。
暫定副首相、経済大臣、中央銀行総裁をはじめとするレバノンの要職者が本日会合を開き、補助金の今後について話し合う予定。
燃料、ガソリン、薬、小麦等の生活必需品を対象とした現在の補助金スキームにとって代わる配給カード案について協議される。