
ハルツーム:スーダンと国際刑事裁判所(ICC)は12日木曜日、元独裁者オマル・アル・バシール氏のダルフール紛争におけるジェノサイド罪の裁判へ至る一歩として、協力協定に署名した。
ダルフール紛争をスーダンの歴史における「暗黒の1章」と表現したICCの主任検察官カリム・カーン氏は、ハーグに本拠を置くICCがスーダンに事務所を開設し、「勝機がある訴訟を起こす」ためさらなる証拠を集める計画が進行中であると述べた。
ICCは、77歳のバシール氏をスーダン地方でのジェノサイド罪、戦争犯罪、人道に対する罪の容疑で10年以上指名手配している。
他の2人の元側近も戦争犯罪の容疑で指名手配されている。
国連によると、2003年に広大な西部地域で勃発したダルフール紛争により、30万人が犠牲となり250万人が住む場所を追われた。
2019年8月以来、バシール氏の下で犯された犯罪の犠牲者たちに正義をもたらすことを誓う、民間人と軍が共同統治する暫定政権がスーダンを率いている。
12日木曜日、カーン氏はハルツームの記者団に対し、暫定政府が「ICCが逮捕令状を発行した人物すべてを含む、私の事務所との協力に関する新しい覚書」に署名したことを「報告できて喜んでいる」と語った。
2019年に市民による抗議活動の最中に退任させられるまで、30年間強圧的にスーダンを支配したバシール氏は、ハルツームにある厳重警備のコベル刑務所に投獄されている。
ICCは2009年に、ダルフールでの戦争犯罪と人道に対する罪の容疑でバシール氏に逮捕令状を発行し、後にジェノサイド罪を容疑に加えた。
バシール氏は、ICCが戦争犯罪で告発する他の2人の元高官、元防衛大臣アブデル・ラヒーム・モハメド・フセイン氏と元南コルドファン知事アフメド・ハルーン氏とともに投獄されている。
今週初め、スーダンの内閣はバシール氏および他の指名手配中の役人たちを引き渡すことに同意した。この決定は、軍人と民間人で構成される与党の主権評議会からのさらなる承認を必要とする。
とはいえ、カーン氏は12日木曜日、裁判のための引き渡しが可能となる前に他の重要なステップが求められると述べた。
「どの容疑者の移送も重要なステップとなるが、それに先立って実質的でかつてないほど深い協力を伴う必要がある」とカーン氏は語った。
ダルフール紛争は、非アラブ系の反政府勢力がバシール氏のアラブ人優位の政府による体系的な差別を訴えて武装した2003年に勃発した。
スーダン政府は、この地域の遊牧民の中から集められた、悪名高いジャンジャウィード民兵を送り込むことで対応した。
人権団体は、バシール氏と同氏の元側近らが焦土作戦を用い、村々で強姦、殺害、略奪、焼き討ちを行ったとして長い間告発してきた。
スーダン政府は昨年10月、ダルフールの主要な反政府勢力との和平協定に署名し、その指導者たちの一部は政府の高い役職に就いたにもかかわらず、暴力はこの地方を悩ませ続けている。
バシール氏は2019年12月に汚職の罪で有罪判決を受けており、2020年7月からはハルツームで、イスラム主義者の支援を受け同氏が権力を手に入れた1989年のクーデターをめぐる裁判が行われている。同氏が有罪とされた場合、死刑となる可能性がある。
AFP