
テヘラン:イランの超保守派大統領イブラヒム・ライシ氏は21日、政府は新型コロナウイルス対策とワクチン接種の加速化を、経済復興よりも優先して取り組むつもりであると述べた。大統領は国会で、自らの閣僚の人選を擁護するなかでこの発言をした。
保守派優勢の議会は21日午前、今週予定されている信任投票を前に、男性のみのほぼ保守派からなる閣僚の人選について審議を開始した。
「政府の最優先課題は、新型コロナの制御と健康状況の改善、そしてワクチン接種の加速化だ」とライシ大統領は述べた。
「経済と生活状況がその次」に来る優先事項であると付け加え、閣僚候補は「正義と進歩」を引き起こすことを目的として選んだと述べた
6月後半からイランでは、新型コロナ感染症「第5波」とされる過去最大の流行が発生しており、これは主に、感染力の強いデルタ株によるものであると当局は述べている。
1日の感染者数や死者数の記録は今月に何度か塗り替えられ、これまでの感染者数は累計で450万を超え、死者の総数も10万を超えた。
中東で最も深刻な感染状況に苦闘するイランは、2月にワクチン接種を開始したが、当局が期待するよりもその進展状況は遅れている。
海外送金を阻む米国の制裁措置が障害となり、ワクチンの輸入に苦慮しているとイランは述べている。
ライシ大統領は、63歳の検眼医であるバハラム・エイノラヒ氏を保健相に指名した。この人選について大統領は、「コロナと闘うチームをまとめることのできる人物」と述べた。
エイノラヒ氏は、米国製、英国製、フランス製のワクチンは「取り返しのつかない未知の合併症」を引き起こす可能性があるとし、ハッサン・ロウハニ前大統領に対する1月の公開警告状に署名した人物として地元メディアに挙げられている。
イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が同月、米国製と英国製のワクチンを「全く信用できない」として使用禁止にした。
国内8300万の住民のうち1630万人が1回目の接種を受けたが、2回目を済ませたのはわずか540万人であると保健省は20日に発表した。
AFP