
エルサレム:イスラエル国防相は水曜、イランが先月、石油タンカーに死者を出すドローン攻撃を自国の領地から実行したと非難し、イスラエルはイランの核兵器入手を阻止する必要があるなら単独でも行動を起こすと繰り返した。
イスラエルのナフタリ・ベネット首相は初の公式訪問でバイデン政権の担当者とイランについて話し合うためワシントンを訪問していたため、ベニー・ガンツ氏が語った。
7月29日、オマーン沖のアラビア海を航行していた石油タンカー「マーサー・ストリート」がドローン機の攻撃を受けた。この攻撃で英国人とルーマニア人の2名が死亡。このタンカーはイスラエルの資産家が所有する企業が管理している。
米国、英国、イスラエルは全てマーサー・ストリートへの攻撃に関してイランを非難している。しかし、その主張を裏付ける証拠や情報を提供している国はまだない。イランは不正行為を否認している。
「我々の判断では、マーサー・ストリートの攻撃に使用された無人航空機はイランの領地から発進したものであり、イランの指導者がそれを承認していた」とガンツ氏は説明会で外国使節団に語った。ガンツ氏の発言は氏の事務所から公表された。
元イスラエル軍参謀総長のガンツ氏は、以前からイスラエルはイランに対して軍事行動を取る準備をしていると警告しており、イランの武力侵略を止めるため国際的な行動を呼びかけていた。
イスラエルとイランは長年、影の戦争から抜け出せない状態になっていた。ここ数ヶ月、商船への攻撃が相次いだことを受け、一層目立った立場を取るようになっている。
そうした攻撃は2018年に当時のドナルド・トランプ大統領がイランと世界列強各国との間で交わされた核合意から一方的に離脱した後に始まった。この合意で、イランは経済制裁の解除と引き換えにウラン濃縮を制限していた。
ジョー・バイデン大統領は合意に再び参加する意志があると述べている。しかし合意を再建させるためのウィーンでの協議は行き詰まっている。
ガンツ氏は水曜、こうした脅威をさらに強調し、イスラエルは「行動を起こす手段を持っており、実行を躊躇するつもりはない。イランの核武装を防ぐために将来的にイスラエルが行動を起こさなければならなくなる可能性を私は除外しない」と語った。
ローマ教皇のコメント
一方、イスラエルのユダヤ教トップ指導者はバチカンに対し、フランシス教皇が聖なる律法書について語ったコメントに関して懸念があると告げ、説明を求めた。
「教皇庁との対話のためのイスラエル首席ラビ委員会(Commission of the Chief Rabbinate of Israel for Dialogue with the Holy See)」の委員長ラッソン・アロシ師は書面で、該当のコメントはユダヤ法が時代遅れであると示唆しているように見受けられると述べた。
バチカン当局は、書面を検討しており回答を考慮中であると述べた。アロシ師が書簡を書いたのは、教皇が8月11日に一般謁見演説でトーラー(ヘブライ語聖書の最初の5巻)について語った翌日である。
トーラーにはユダヤ教徒が日常生活の中で従う何百もの掟(ミツヴァ)が書かれている。正統派ユダヤ教と改革派ユダヤ教では、多岐にわたるガイドラインを遵守しているかどうかの尺度が異なっている。
演説で教皇は、新約聖書の中で聖パウロがトーラーについて話したことを振り返って次のように語った。「しかし律法(トーラー)は命を与えるものではありません」
「約束の実現を提供してはいません。なぜなら実現する力を備えていないからです(中略)命を求める者はキリストの中の約束とその実現に目を向ける必要があります」