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戦争で荒廃したシリア、停電で産業復興が停滞

アレッポの工業地域は住宅地区よりも少し多めの電力供給を受けることができるが、マジキニさんは、彼のビジネスが完全に立ち直るにはまだ十分ではないという。(AFP)
アレッポの工業地域は住宅地区よりも少し多めの電力供給を受けることができるが、マジキニさんは、彼のビジネスが完全に立ち直るにはまだ十分ではないという。(AFP)
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09 Sep 2021 06:09:48 GMT9
09 Sep 2021 06:09:48 GMT9
  • 長年にわたる紛争により、全国の電力網ほか、石油やガスのインフラが破壊された

ダマスカス:戦前、シリアのアレッポにある町工場では、夜まで機械の音が鳴り響いていたが、最近では、停電のために午後6時きっかりに停止する。

かつて国の経済の中心地であったこの地での戦いは、ほぼ5年前に終息したが、限られた電力供給によって、プラスチックから食品まであらゆるものを生産する製造地区における仕事への完全復帰は妨げられてきた。

織物で有名なカルム・アル・カタルジ地区では、31歳のマハムード・マジキニさんが、医療用ガーゼを織る彼のビジネスは、10年前の紛争の影響でまだ揺れていると語った。

「私の機械が24時間稼働に戻っていないので、戦争が本当に終わったとは言えません」とマジキニさんは話した。

この紛争で、全国の電力網ほか、石油やガスのインフラが破壊された。

シリア最大の油田は、クルド人が支配するシリア北東部の政府の手が届かないところにあり、西側諸国の制裁が海外からの燃料輸入を妨げている。

政府が支配する地域のシリア人は、自宅や職場での生活を1日最大20時間実施される停電に合わせる必要があった。

アレッポの工業地域は住宅地区よりも少し多めの電力供給を受けることができるが、マジキニさんは、彼のビジネスが完全に立ち直るにはまだ十分ではないという。

現在、8台ある織機の半分だけが、壁がひどく損傷した建物の3階にある狭い作業場で稼働している。

彼は、足を滑らせて転落することを恐れ、大きく崩れた建物の正面に最も近いところにある機械をあえて修理したいとは思わないと話す。

「もっと長い時間電気があれば、もっと仕事をして、壁を修理することができたでしょう」とマジキニさんは語った。しかし、そうはならず、「大きな危険を冒しています。」

北部都市の工業地帯において、国は週4日午前6時から午後6時まで電力を供給することになっているが、実際にはその供給でさえ、しばしば停電によって中断される。

これらの時間外に公共ネットワークは機能停止に陥る。

金銭的に余裕のあるビジネスマンは、自家発電機を作動するためにディーゼル燃料を購入するが、ほとんどの人は店や工場を閉めることを余儀なくされる。

停電が長い時間実施される住宅地区では、多くの人が自家発電機を定期契約している。

政府軍は、反政府勢力がろう城・支配するアレッポの半分に、何年にもわたって致命的な爆撃を行い、2016年後半に彼らから東アレッポの支配権を取り戻した。

戦闘によってアレッポの工業地区はひどく損なわれたが、そのほとんどは東部にあった。アレッポの電力網はほとんど破壊された。

シリア国営電力会社のアレッポ責任者を務めるムハンマド・アル・サレ氏は、当局が2017年以降、電力網の復旧に徐々に取り組んできたと述べた。

「しかし、それは簡単ではありません」と同氏は語った。

「私たちがアレッポの東部に戻ったとき、送電所も鉄塔も発電所もありませんでした。一からやり直しています。」

2月にこの電力会社は、政府の主要同盟国であるイランの支援を受けて、シリア最大級であるアレッポの発電所の修理を開始したと発表した。

それは、アレッポ発電所を修理し、政府の拠点であるラタキアに新しい発電所を建設するという内容が含まれる、「電力部門における協力」に関するダマスカスとテヘランの2017年合意を受けてのものであった。

電力網が復旧するまで、製造事業者は状況に適応する必要がある。

カルム・アル・カタルジでは、52歳のアブデル・サラーム・マツィエクさんが、この地区の絶え間ない繊機の音で、活気があった古き良き日々を懐かしく思うと語った。

「以前はノンストップで作業していました」と、カラフルな素材を製造する工場を所有するマツィエクさんは話した。

しかし現在、彼は週4日しか働いておらず、必死になって「電気を最大限に活用」しようとしている。

AFP

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