
ナジャ・フーサリ
ベイルート: レバノン新政権の初日、前臨時外相のゼイーナ・アカール氏と省庁本部長のハニ・シュマイトリ氏との間で衝突が起きた。
シュマイトリ氏がアカール氏に省のメールを渡すことを要求したが、アカール氏はそれを拒否し、事務所を攻撃した。アカール氏はレバノン憲法により既にメールへのアクセス権を失っている。
省庁関係筋によると、アカール氏が省舎に到着した際、レバノン軍の護衛官を伴っていたという。アカール氏は前政府が辞職する前、国防相でもあった。アカール氏は、新大臣への職務の引き継ぎを済ませていないことを口実として省のメールにアクセスさせるよう要求した。シュマイトリ氏がアカール氏の要求を拒否すると、アカール氏の護衛官が事務所のドアを破壊し、被害は内部にも及んだ。その後、アカール氏は省のメールへのアクセス権獲得を試みた。
この件に対し、省の職員は抗議をしている。
アカール氏に近い関係筋によると、アカール氏が省舎へ行ったのは引き継ぎを完了させ、職員に感謝し、別れの挨拶をするためだったという。「ですが、シュマイトリ氏は自分がいないところで職員と話さないようアカール氏に要求しました。憲法違反になるためです。するとすぐ、アカール氏はドアを開けるよう命じたのです」
月曜の政権発足後初となる閣僚会議の際、ミシェル・アウン大統領は新政府に「時間を無駄にしない」よう要請した。
アウン大統領は次のように述べた。「レバノン国民だけでなく諸外国も、レバノンに積み重なった危機への取り組みに関し、我々を頼りにしています。我々が真剣さと決意を示せば示すほど、諸外国は支持を表明してくれることでしょう」
ナジーブ・ミカティ首相の政権は閣僚の組み合わせを巡り何ヶ月もの対立を経て発足した。新政権は、政府が信任投票を求めるための閣僚声明を作成するための委員会を設置した。
会議でアウン氏は以下のように語った。「この政権は私の大統領在任中で4度目の政権となります。暫定政権の辞職から13ヶ月後に樹立されました。この期間中、状況は経済的にも財政的にも社会的にも悪化し、レバノン国民の生活状態は前代未聞の形で悪化しました。我々には国家とその機関の役割を始動させて信頼を取り戻すという大きな歴史的・国家的な責任があります。これ以上、先延ばしにする余裕はありません。必要とされているのは、生活状態への対処を行い、レバノンを救いの道に乗せるための迅速な解決策を見つけ出すことです」
ミカティ首相は「例外的な措置が必要とされている状況です」と述べ、「確かに魔法の杖は存在しません。状況は非常に重篤です。しかし確固たる意志と堅固な決意、そして計画があれば、苦しんでいる国民の希望を叶えることは可能です」と語った。
ミカティ首相は自身の政権は「全レバノン国民のために働きます。政権の支持者も反対者も、我々への支持を表明した人もしなかった人も、数日後に政府に信任を与えてくれる人も与えてはくれない人も、差別はしません」と語った。
ミカティ首相の政権は2022年5月までの8ヶ月間の予定となっており、その日に国会議員選挙が予定されている。この政権は危機的な時期に誕生した。毎日のように危機が発生している。最も深刻なのは燃料危機だ。輸入業者は先日、備蓄燃料は徐々に減っており、危機的なレベルに達したと発表した。
環境相のナーセル・ヤシン博士はアラブニュースに次のように語った。「政府の目標は火を消し止めることです。特に燃料、電力、医薬品の補助金に関するものです」
次のステップは「危機管理を向上させ、国際社会に開かれたものにすることです」とナーセル・ヤシン博士は語った。
「政府は1つのチームとして行動します。週末に行われた会議で、政府の使命達成のために全員協力する準備が出来ていることが示されました。レバノンは緊急事態となっています。重篤な問題に対処するため、早急な成果が必要です」
新閣僚と暫定政権の閣僚との間の引き継ぎは、水曜日に行われる予定である。