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自宅を学校に変えたイエメンの女性

2021年9月1日、南部ホデイダ県の農村地域ムヒブにある自宅の床いっぱいに座る子どもたちに授業を行うイエメンの教師アミナ・マハディ氏(左)。(AFP通信)
2021年9月1日、南部ホデイダ県の農村地域ムヒブにある自宅の床いっぱいに座る子どもたちに授業を行うイエメンの教師アミナ・マハディ氏(左)。(AFP通信)
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23 Sep 2021 06:09:30 GMT9
23 Sep 2021 06:09:30 GMT9
  • イエメンでは民間人を中心に数万人が死亡し、数百万人が避難しており、国連はイエメンの状況を世界最悪の人道的危機と呼んでいる

イエメン、アル・トゥハイタ:イエメン人教師のアミナ・マハディ氏は、南部ホデイダ県の人里離れた村にある自宅で、地面いっぱいに座った子どもたちに理科を教えている。

アル・トゥハイタ地区にある小さな農村地域のムヒブでは、これらの少年少女にとって、太陽に照らされたマハディ氏の家で学ぶことが、教育を受ける唯一の機会となっている。

マハディ氏は、2014年に貧困国イエメンで壊滅的な戦争が勃発する前から、子どもたちに読み書きを教えていた。

マハディ氏はAFP通信の取材に対し、「教えることになったきっかけは、教育を受けた村民の比率が小さいことに加え、子どもたちが教育の機会を奪われていることだった」と語った。

数十人の子どもたちを教えるマハディ氏は、子どもたちを年齢別に3つのグループに分け、1つのグループにつき1日2時間ずつ授業を行っている。

子どもたちは読み書きのほか、算数や理科の授業も受けている。

しかし、マハディ氏によると、棚1つに何百冊もの本が積まれているマハディ氏の家は、授業のための設備が整っているわけではないという。黒一色のニカブを着用したマハディ氏は、「太陽と熱によるダメージが大きい」と話した。

イエメンの戦争は、イランと同盟関係にあるフーシ派とイエメン政府の間で繰り広げられている。

イエメンでは民間人を中心に数万人が死亡し、数百万人が避難しており、国連はイエメンの状況を世界最悪の人道的危機と呼んでいる。イエメンでは2500以上の学校が使用不能に陥っており、一部の学校は破壊され、難民キャンプや軍事施設に変えられた学校もある。

国連児童基金(UNICEF)は、新型コロナウイルスの感染が拡大する前から200万人の子どもたちが学校に通えていなかったと推定している。また、新型コロナがイエメン全土に与えた影響で、学校に通えない子どもの数はさらに増加した可能性が高いと警告している。

生徒の一人、イブラヒム・モヒブさんはAFP通信に対し、「アミナ先生がいなかったら、私たちは読み書きや勉強をすることができなかった」と話した。

モヒブさんの父親のモハメド氏は、3人の子どもたちを勉強のためにマハディ氏の家に通わせていることに後悔はないという。

モハメド氏は、「子どもたちは1年生から4年生までマハディ氏の家で教わった。マハディ氏が子どもたちを教えようと努力してくれていることを、ありがたく思っている」と述べた。

マハディ氏は、子どもたちに授業を行うために、何らかの形で援助を受けたいと話している。

マハディ氏は、「これらの子どもたちに喜びを与えることを慈善心のあるすべての人にお願いする。そして、本物の学校を設立するための援助をして欲しい」と述べ、「私の小さな家は授業を行う場所として十分ではない。私の家は公共の場となり、私が落ち着ける場所ではなくなった」と続けた。

AFP

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