• サウジアラビアは、内戦で荒廃した隣国イエメンへの人道支援において、依然として最大の援助国である。
• サウジアラビアとイエメンの政府は、フーシ派に対し国連主導の政治的紛争解決に応じるよう圧力をかけることを求めている。

クリストファー・ハミル・スチュワート

ニューヨーク：サウジアラビア、米国、EUなどの各国が、水曜に国連のハイレベル会議において、イエメンへの数億ドル相当におよぶ追加の人道・開発支援を発表した。 

サルマン王人道支援・救済センターの統括責任者アブドゥラー・ビン・アブドルアジーズ・アル・ラビーア氏は、サウジアラビアが内戦で荒廃したイエメンに9千万ドルの追加人道支援を提供することを発表した。

「過去6年間で、サウジアラビアはイエメンへの援助に180億ドル以上を支出してきました」と彼は述べた。「今年だけで、サウジアラビアはイエメンに8億4800万ドル以上の支援をしました」

最新の誓約によれば、サウジアラビアがまたイエメンの最大支援国となる。しかし「義援金だけではイエメンの危機を緩和できません」とアル・ラビーア氏は警告した。

「紛争の終結と支援配給に対する障害の最小化のために協力して取り組まない限り、状況は悪化し続けるでしょう」と彼は加えて述べた。

「フーシ派が国連と国際非政府組織に対して続けている攻撃行動は、イエメンの人々をさらなる苦境に追い込むだけです」

アル・ラビーア氏は、サウジアラビアは国際社会が同国の「紛争を終結させ、全イエメン国民に安定的な平和をもたらすため」の政治プランを支援してくれることを願っていると伝えた。

米国は2021年に2億9000万ドルの追加提供を約束した。一方、EUは追加で1億1900万ユーロ（1億3965万ドル）を提供すると発表しており、この地域の国際パートナーシップ委員であるユッタ・ウルピライネン氏はこれを「共同の人道・開発支援の誓約」であると述べた。

加えて「短期的には、この支援は家族らが食料や基本的物資を手に入れる助けとなる」と述べ、「長期的には、EUはイエメンが危機から回復に向かう準備の支援に努める」とした。その過程では「若者と女性への投資が重要な役割を果たすでしょう」と彼女は述べた。

カナダ、カタール、スウェーデン、ブラジルは合わせて1億2000万ドル超の追加提供を誓約しており、その一部は国連世界食糧計画などの国連組織に渡され、イエメンでの活動に役立てられる。

今回の国連会議において、合計で約6億ドルの人道的資金の追加が発表された。

この資金は食料安全保障、衛生、医療、教育をできる限り多くのイエメン国民に提供し続けるために活用される。

しかし、国際社会が提供する支援は国内の2900万人が直面する苦難をいくらか緩和するものの、世界の指導者らは紛争の政治的解決だけが人道危機を真の終結に導けると繰り返し明らかにしてきた。

イエメンは中東で最も貧しい国であり、2015年のイランが支援するフーシ派による国連が認めた政府の打倒をきっかけに、内戦に突入することになった。それ以来、飢餓と紛争によって数万人の市民が命を落としてきた。

イエメンのアフマド・アワド・ビン・ムバーラク外相は水曜に「国連主導の人道対応計画などの国際社会による多大な支援があるにも関わらず、イエメン国内で見られる人道危機は世界の中で最大で、最も切迫している」と警告した。

彼はイエメンの人道危機についてフーシ派を非難し、フーシ派がいかにイエメン国民の苦境を継続させるかの例として、マアリブの街での強襲を挙げた。この強襲によって、国中の人々への家庭用燃料の供給が妨げられた。

「マアリブはイエメンの家庭用ガスの主要供給源で……フーシ派によるマアリブへの継続的で残忍な攻撃は人々の苦境を悪化させる」とビン・ムバーラク氏は述べた。

同氏は、マアリブへの攻撃の継続がこの街で安全を求めていた数千の国内避難民に外国への非難を強いる可能性があると警告した。

「さまざまな（国連の）機関が提供するあらゆる人道的努力をもってしても、この戦いが終わらない限りはイエメン国民の苦境に終わりは来ない」と彼は述べた。

「それゆえ私は国際社会に対し、戦闘という選択肢を捨てて国連主導の和平プロセスに従事するよう、フーシ派民兵とその支援者への働きかけを強めることを求めたい」