
パリ: エマニュエル・マクロン仏大統領は金曜日パリでレバノン新首相に就任したナジーブ・ミカティ氏と初めて会談し、同氏が危機に直面するレバノンを救うために「性急に」改革に取り掛かることを求めた。
マクロン氏は以前から続けているレバノンの政界人たちへの批判を繰り返し、ミカティ氏に対して「性急に対策と必要な改革を履行しなければならない」と伝え、レバノンは旧宗主国であるフランスの支援を「頼りにしていい」と述べた。
その改革では電力やその他のインフラ整備の課題に取り組み、財政を立て直し、汚職をなくし、金融システムの安定化を図るべきだ、と同氏は語った。
ミカティ氏は、自身と月曜日にレバノン議会に承認された政権が改革の履行に真摯に取り組むことをマクロン氏に約束するためにパリを訪れた、と述べた。
「レバノン国民の信用を取り戻し、彼らに希望を与え、その痛みを和らげるために(中略)できる限り早く必要な改革を実施する決意を私は伝えた」という。
また同氏はレバノンの政治タイムテーブルを尊重し、来年総選挙を実施することを約束した。
大富豪である同氏が首相に推薦されたことで、死者214名を出し首都ベイルートの一角に甚大な被害を与えた2020年8月の大爆発以来13ヶ月におよんだ政治の膠着状態は解消された。
以降の経済崩壊により中央銀行の準備金は底をつき、通貨価値は9割以上も落ち込み、国民の4人に3人が貧困層に陥る中で、そのすべを持つ人々は千人単位で国外へと逃亡していった。
フランスはレバノンの悲劇的状況に対する国際社会の対応について指導的立場をとっており、同国を議題とした国際会議を三度開催し、政治改革およびその責任説明を条件に援助を行っている。
大爆発の二日後にマクロン氏はレバノンを訪れており、その後も再度訪問している。
43歳の仏大統領は、レバノン指導者層が政治危機を解消せず同国経済の非常事態に無対応であることに対して、幾度となく怒りをあらわにしてきた。
「レバノン国民の生活状況が刻々と悪化する中で、話し合いが長続きしすぎたことは誰の目にも明らかだ」と金曜日マクロン氏は語った。
大統領官邸エリゼ宮殿の階段においてミカティ氏とならんで行われた声明で同氏は、2020年8月のベイルートでの大爆発についてレバノン国民には「真実を知る権利がある」と述べた。
核反応を伴わない爆発としては歴史上最大規模であったその大爆発は、住宅街の目と鼻の先にある港湾の倉庫に長期間放置されていた高い起爆性を持つ大量の硝酸アンモニウムによって引き起こされた。
ロイター