アリ・ヤンヌ
ワシントン: クウェートの首相は、イランに対し、湾岸地域における信頼構築と主権の尊重と内政不干渉に基づいた近隣諸国との対話を開始するために真剣に取り組むよう求めたサバーハは首相は、湾岸地域の国々は、アラビア湾の海上貿易と物品や船舶の自由な移動を保護するために努力する必要があると述べた。
クウェートのシェイク・サバーハ・アル・ハリード・アル・ハマド・アル・サバーハ首相は、ニューヨークで開催されている第76回国連総会での演説で、イランによる信頼の構築が湾岸地域の緊張緩和、ならびに協力と相互尊重に基づいた湾岸諸国との関係構築に寄与することになるとしたうえで、「そのような措置を講じることは、安全で安心して豊かな生活を送りたいと言う同地域の人々の願いを反映することになるだろう」と述べた。
また同首相は、イランと国際社会が核開発計画を巡って紛糾している現状を示唆しつつ、反核拡散体制の脆弱さが「湾岸地域への既存の脅威」となって現れていると述べた。
バラック・オバマ元米大統領在任中の2015年、イランは米国、英国、仏国、独国、ロシア、中国と核合意(正式名称は、包括的共同行動計画(JCPOA))を締結し、これによってイランは制裁の緩和と引き換えに同国の核開発計画に制限が課されることとなった。
2018年、ドナルド・トランプ元米大統領が、核合意はイランの野心を抑制するほど厳格ではなかったと主張し、核合意から撤退した。現在イランは米国とイランの核開発計画をめぐる交渉の再開を模索している
またサバーハは首相は、湾岸地域における大量破壊兵器の廃絶を呼びかけ、イランに対し同地域を非核地帯にするよう求めた。
さらに、クウェートを含む湾岸地域諸国に影響を与えているイエメンの問題について触れ、イエメンの内政紛争を終息させるためのサウジアラビアの取り組みを称賛したうえで、全ての当事者に対し、内戦終結のための交渉の席につくよう求めているクウェートの呼びかけを改めて強調し、紛争の解決は、湾岸諸国のイニシアチブ、イエメンの当事者間での和解会議、関連する国連安保理決議に基づいて行われるべきであると述べた。
また、フーシ派がサウジアラビアの領土を標的とする無人機やミサイルによる攻撃を行っていることを非難し、サウジアラビアの領土に対するあらゆる攻撃を非難する」と述べた。
イエメンは、2014年にフーシ派グループが首都サナアを含むイエメン北部のほとんどの地域を支配下に置いて以来、内戦状態にある。
2015年には、サウジアラビア主導のアラブ連合軍が介入し、アブドラッボ・マンスール・ハーディ大統領による合法的な政府を復活させている。
サバーハ首相は、パレスチナの人々へのクウェートの支援を強調し、イスラエルによる占領の終結と、ヨルダン川西岸とガザ地区での東エルサレムを首都とするパレスチナ人の独立国家の樹立を求め、クウェートはパレスチナを支援するとしたうえで、イスラエルによる違法な入植地の建設や土地の没収、ガザ地区の包囲などの政策をクウェートは拒否すると述べた。
また、シリアとリビアの紛争を平和的に解決し、両国に安全と安定をもたらすための取り組みへの支持を表明した。
サバーハ首相は、クウェート国内の居住者の72%にワクチン接種が完了したことに言及し、さまざまな種類のワクチンが製造され、そしてそれらが世界中すべての国に行き渡るようにする協力を通じて、世界中の国々が一丸となって新型コロナウィルスと闘ってきたはずであると述べた。