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ガザ地区ではキリスト教徒らがラマダン精神を共有する

パレスチナの青年たちが、自転車やペダル駆動のミニ自動車に乗って、明かりを点灯したアンブレラで飾られたラファの通りを走る。(ファイル/AFP)
パレスチナの青年たちが、自転車やペダル駆動のミニ自動車に乗って、明かりを点灯したアンブレラで飾られたラファの通りを走る。(ファイル/AFP)
ガザのカテブ・ウィラヤ・モスクの建立は14世紀初頭に遡るが、今もそのままの形で立っている。(他社供給)
ガザのカテブ・ウィラヤ・モスクの建立は14世紀初頭に遡るが、今もそのままの形で立っている。(他社供給)
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22 Apr 2021 02:04:04 GMT9
22 Apr 2021 02:04:04 GMT9
  • 教会統計によると、ガザ地区にはおよそ200万人のイスラム教徒に混じって390件のキリスト教徒家族が居住する
  • タラジは、ガザの住民の間に広まっている習慣にならい、ラマダン初日には伝統的な方法でモルヘーヤを調理すると語った

ハゼム・バロルーシャ

ガザ シティ:多くのガザ地区に住むキリスト教徒らがラマダンの習慣や儀式に参加している、とサナア・タラジがアラブニュースに語った。彼女は教会問題のための最高大統領委員会の秘書を務める。彼女は、ガザ地区のキリスト教徒らは「パレスチナ市民の必要不可欠な一部分」だと強調した。

教会統計によると、ガザ地区にはおよそ200万人のイスラム教徒に混じって390のクリス チャン家族が居住する。

「私たちは皆親しい隣人同士なので、イスラム教徒とキリスト教徒を区別できる人などいない。愛情に基づく絆が出来上がっている」とタラジは言う。

タラジはガザの旧市街のど真ん中にある家庭に育った。ラマダンは「美しい幼少時代の思い出」のひと月であり、彼女と近所の友達は通りで提灯や花火で遊び、夜が真昼のような明るさになったものだと振り返る。

彼女はその愛情を現在留学中の二人の子供たちにも伝えている。毎年ラマダンには家を提灯や他の装飾品で飾るという。

「私たちの食事の習慣はラマダン期間中大きく変わります」と彼女は言う。「何日も昼食はとらず、マグリブ(夜)の呼びかけの後に食事をする」さらに彼女は、近所のイスラム教徒の隣人たちが断食をしている時に臭いで気を散らさせないように、食事の支度を遅らせるなどして気を使っているとも言う。

ガザの住民の間に広まっている習慣にならい、彼女はラマダン初日には伝統的な方法でモルヘーヤを調理し、祝福された良き一年となるように願うと言う。

彼女と近所の人たちはラマダンの食べ物やお菓子を交換し合う。タラジは家でカタイフを 作って、ラマダンの期間中にイスラム教徒やキリスト教徒の近所の人々へ配るという。

タラジの夫のマジェドはガザ地区のアラブオーソドックス(ボーイ)スカウトの指導者で、ラマダン月に対する愛情を分かち合っている。彼はアラブニュースに、ラマダン中、夜友達と社交に出歩くのは「特別な時」であり、今年はCOVID-19のために通常のラマダン儀式のほとんどを多くのイスラム教徒の友達と行うことができず、残念だと語った。

スカウトの仲間はラマダン中にガザの通りに配置され、イフタール(毎日の断食明けの食事)の前に仕事を終えて家に戻る人々に水とデーツを配るのだと彼は説明する。また彼らはガザのギリシャ正教会でイフタールを執り行ったりもする。しかしそれも今月キャンセルされ、二年連続の中止となった。「我々は教会でイフタールを行うことによって寛大さを表し、ガザ地区で我々を結びつけているイスラム教徒との絆の深さを示している」と彼は言う。

彼はカテブ・ウィラヤ・モスクの歴史深いミナレットを指差した。このモスクの建立は14世紀初頭に遡り、ミナレットが教会堂を見下ろしている。「これが我々の関係だ、すなわち、祖国の隣人と仲間を愛し、同じ運命を共有するという関係だ」と彼は言う。

「イスラム教の兄弟たちが宗教行事を祝うのと同じように、彼らは我々と喜びも悲しみも分かち合う。そして我々は彼らと互いに愛と尊敬の気持ちを抱き合う。我々は彼らの儀式や宗教行事の神聖さを大切にしている」と彼は述べた。

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