
モスクワ: ロシアとトルコの大統領は、29日、シリア北西部で再発している軍事衝突の抑制と、米国が反対している、ロシア製の軍事防衛システムのトルコへの追加販売の可能性についての話し合いを開始した。
今回の会談は、黒海に面したロシアのリゾート地であるソチで行われた。ロシア大統領府は、ウラジーミル・プーチン大統領は新型コロナウィルス感染防止のための自主隔離期間を当日に終え、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との会談に臨んだと説明している。
会談前、トルコの当局者は、エルドアン大統領がプーチン大統領に対して、トルコが支援しているシリアのイドリブ県の反政府軍へ攻撃をロシアとシリアが止めることで合意した昨年の停戦合意を遵守するよう迫るだろうと述べていた。
エルドアン大統領は、会談の冒頭でプーチン大統領に対し「シリア情勢関して私たちが一致した行動をとることは非常に重要である。シリアの平和はトルコとロシアの結束にかかっている」と語った。
それに対し、プーチン大統領は冒頭のコメントでシリアについて軽く触れるに留まり、シリア情勢はロシアとトルコの協力が非常にうまくいっている分野の1つであるとし、トルコとの交渉は時々困難なこともあるが、両国は双方にとって有益な妥協点を見つける方法をこれまでに学んできていると述べた。
また会談では、ロシアのS-400ミサイル防衛システムをトルコが追加購入する可能性についても話し合われる予定であり、これについては米国政府が強く反対してきている。
エルドアン大統領はそれに対してきっぱりと、米国の反対にかかわらず、さらなる防衛協力について話し合いたいとプーチン大統領に語った。さらに「当然のことながら、我々は国連総会で、典型的な人々からとりわけ特定の問題について具体的な質問を受けた。いずれにせよ彼らにすべき回答はした。我々は踏み出してしまった以上、後戻りすることはできない。私は何よりもトルコとロシアの結束を日々強化することで継続してゆくことが両国とって非常に重要であると信じている」と語った。“
NATO(北大西洋条約機構)の加盟国であるトルコが、2019年にロシアのS-400ミサイル防衛システムを購入した際には、米国はトルコの防衛産業に対して制裁措置を発動している。
ロイター