
ナーシリーヤ、イラク:当局は26日、イラクのチグリス川とユーフラテス川の水位が南部で急激に低下していると述べ、水不足を解消するための緊急措置を講じることを約束した。
南部のジーカール県の県都ナーシリーヤで、AFPのカメラマンは、大河ユーフラテスの川床が部分的に乾いているのを目撃した。
水資源省は、南部のいくつかの県の状況を「隣国トルコからイラクに届く水の量が少ない 」ためだとしている。
「このことが引き金となり、同国の貯水量が急激に減少している」と同省は声明の中で述べている。
チグリス川とユーフラテス川はともにトルコに水源を持ち、イラク当局は、トルコ政府がダムで水をせき止め、イラクへの流量を劇的に減らしていると長年にわたって非難してきた。
イラク当局はまた、農民が水源を乱用し、制限を無視して土地を灌漑していることも非難している。
農業と食料安全保障を直撃する水不足は、すでにイラクにおける「農村から都市への移住の主な要因」の一つであると、国連と複数の非政府団体が2022年6月に発表している。
昨年のイラクの公式統計によると、イラクに流入するチグリス川の水位は、過去100年間の平均のわずか35パーセントにまで低下している。
水資源省のハレド・チャマル報道官は、26日、イラクはチグリス川とユーフラテス川から期待される水の30%しか得ていないと述べた。
イラクはトルコに放水量の増加をたびたび要請し、農業用水や生活用水の配給措置をとっている。
また、イラク北部のダムでもしばしば水がせき止められており、南部の住民の怒りを買っている。
チャマル氏はAFPに対し、イラク南部における今回のチグリス川とユーフラテス川の水位低下は「一時的なものだ」と語った。
当局は、モスル、ドゥカン、ダルバンディカンの北部地域にあるイラクのダムから水を放出して水位を上げると、同氏は付け加えた。
「今後2日以内に良い結果が出るはずだ」と同氏は述べた。
数十年にわたる紛争の後、石油資源の豊富なイラクは、土地の不毛、干ばつ、砂漠化に悩まされてきた。
国連によれば、イラクは気候変動の影響を最も受けやすい5カ国のうちの1つだ。
世界銀行は12月、イラク当局に対し、灌漑プロセスや農法の近代化、ダムインフラの見直しを促した。
AFP