ナジャ・フーサリ
ベイルート:レバノン航空クラブ所属の民間訓練機が13日朝、地中海に墜落し、搭乗していた2人が行方不明になっていると、レバノン軍が発表した。
墜落現場はビブロスに近いハラト沖で、現地ではパイロットのアリ・ハジ・アフメド氏と学生パイロットのパスカル・アブデル・アハド氏の捜索活動が続けられている。
レバノン民間航空総局によると、セスナ172型機は現地時間13日午前10時6分にベイルート・ラフィーク・ハリーリ国際空港を離陸した。その後20分足らずで、航空機はハラト地区の海上で航空レーダーから姿を消した。
「機長は管制塔に連絡せず、遭難信号も出さなかった。これは不可解だ」と、レバニーズ・プレイン・スポッターズのクリス・カシューフ氏がアラブニュースに語った。
レバノン海軍、空軍、民間防衛隊が捜索活動に参加している。
レバノン民間防衛局の関係者は、「捜索は、ハラトのビーチから1キロ離れた、水深30から35メートルの広い範囲で集中的に行われた」と、レバノン民間防衛隊のある情報筋が語った。「民間防衛隊のダイバーらは、この地域の潮の流れや風により、非常に繊細な状況の中、交代で捜索活動を行った」。
未確認情報によると、パイロットの健康に異変が生じたため、アブデル・アハド氏が管制塔に連絡したとしている。
しかし、レバノン航空クラブの役員のミシェル・アブード氏は、この主張を否定した。
「飛行機は通常、管制塔と継続的に連絡を取っており、飛行機の搭乗員から不具合の報告はなかった」と、同氏は述べた。
1923年に創設されたレバノン航空クラブは、民間パイロットを養成し、ライセンスを提供するレバノンの3つの航空訓練センターの1つだ。墜落したセスナ172型機は、通常、訓練飛行に使用され、パイロットを含めて3人までしか乗せることはできない。
同様の事故は7月8日にも発生しており、3人を乗せたセスナ172が、承認された飛行計画から逸脱してベイルートの北36kmに位置するゴスタ地区に墜落した。
この飛行機はオープン・スカイが所有し、観光目的のフライトだった。パイロットと乗客2人は死亡した。
「ゴスタの事故でも、機長が管制塔に連絡せず、状況の特異性を強めている」と、カシューフ氏は述べた。「調査結果はまだ公開されていない」
レバノンのバサム・マウラヴィ内務大臣はボートで墜落現場に向かい、レバノン軍と民間防衛隊のチームの救助活動に関して説明を受けた。
「救助艇は墜落現場を四角く分割し、ダイバーが全域を調べられるようにした」と、マウラヴィ氏は語った。「装備を備えた多くのボランティアが救助活動を手伝っている」
マウラヴィ大臣はまた、レバノン公共事業省に対し、全ての航空訓練機の点検を行う追加対策を講じることも求めた。
「このような事故が繰り返されないように、公共の安全の確保の一環として取り組む」と、同氏は述べた。