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UAE駐米大使、イスラエルの併合はアラブとの関係を「根底から覆す」だろうと警告

アル・オタイバ駐米大使は、イスラエルの併合計画は「暴力に火をつけ、過激派を煽り立てる」だろうと警告した。(File/AFP)
アル・オタイバ駐米大使は、イスラエルの併合計画は「暴力に火をつけ、過激派を煽り立てる」だろうと警告した。(File/AFP)
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13 Jun 2020 06:06:51 GMT9
13 Jun 2020 06:06:51 GMT9

エルサレム:アラブ首長国連邦(UAE)の駐米大使が金曜日、ヨルダン渓谷と占領下のヨルダン川西岸の他の地域の併合に対しイスラエルに警告し、この動きはアラブ世界との関係進展を望むイスラエルの努力を「根底から覆す」だろうと述べた。

一方で元イスラエル首相は、イスラエルが安全保障のためにヨルダン渓谷の支配を維持すべきだという主張を「ナンセンス」であると退けた。

UAEのユセフ・アル・オタイバ駐米大使は、ドナルド・トランプ大統領が1月に行った中東和平案の発表に立ち会った3人のアラブ大使の内の1人である。これはイスラエルがヨルダン川西岸の約30%を併合することを可能にするもので、パレスチナ側はすぐに反発した。

イスラエル紙イディオト・アハロノトが発表した社説の中でアル・オタイバ駐米大使は、7月1日にも開始されるかもしれないイスラエルの併合計画は「暴力に火をつけ、過激派を煽り立てる」だろうと警告した。

「この地域、特にヨルダンに衝撃を与えるだろう。これらの地域の安定性は時には当然であるとされているが、特にイスラエルなどの地域全体に利益をもたらしている」とアル・オタイバ駐米大使は書いている。

UAEは、米軍の緊密で影響力のある同盟国であり、イランへの懸念を共有する湾岸アラブ諸国との関係進展に向けた近年のイスラエルの取り組みに主な焦点を当てている。

社説の中でアル・オタイバ駐米大使は「併合はアラブ世界やUAEとの安全保障、経済、文化的面での結びつきを改善するというイスラエルの願望を確実に、そして即座に覆すことになるだろう」と述べている。

UAE外務省はその後、この記事に関してヘブライ語でツイートした。

イスラエル外務省のスポークスマン、Lior Haiat氏はこれにリツイートし、ヘブライ語でのツイートを読むことは「嬉しいサプライズ」であると述べ、また平和はこの地域全体にとってのチャンスになり、米国の計画は「このビジョンを実現するための出発点」であると述べた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はヨルダン渓谷の併合を約束した。ヨルダン渓谷はヨルダン川西岸の約4分の1を占めており、イスラエルの広範囲に及ぶユダヤ人入植地も併合すると約束した。これによりイスラエルと並んで実効性のあるパレスチナ国家を設立することは事実上不可能となり、これは未だに紛争を解決する唯一の方法として広く考えられている。

パレスチナ側は占領下のヨルダン川西岸、ガザ、東エルサレム、1967年の戦争でイスラエルによって接収された領土に国家を築きたいと考えている。トランプ大統領の計画ではパレスチナは長い条件を満たすことで、イスラエルに囲まれた散らばった飛び地に限定的な形で国家としての地位を与えることが認められる。

アラブ世界はトランプ政権の取り組みは歓迎しているものの、計画そのものに関しては拒否しており、1967年の路線に基づく2国家共存解決への支持を再確認している。

アラブ世界の中でエジプトとヨルダンの2国家のみがイスラエルと和平を結んでいる。2002年のアラブ和平イニシアティブで、その他の国は1967年に接収された全ての領土からのイスラエルの撤退と、パレスチナ難民問題への「正当な解決」を引き換えに平和と承認を約束した。

「UAEとアラブ世界のほとんどの国はイスラエルを敵ではなく、チャンスであると信じたい。我々はあまりに多くの共通の危機に直面しており、より良い関係性を築くための可能性があると思っている」と、アル・オタイバ駐米大使は書いている。

「イスラエルの併合決定は、彼らが我々と同じ方向を向いているかどうかを示す紛れもないシグナルとなるだろう」。

ネタニヤフ首相は、イスラエルが安全保障上の必要性を満たすためにヨルダン渓谷の完全な支配を維持すべきだと主張している。イスラエルの指導者らは、ヨルダン渓谷から撤退することで将来的に東からのアラブ侵攻の可能性を許す恐れがあることを、長い間表明してきた。

しかしアラブ語の報道機関でのインタビューで、イスラエルのエフード・オルメルト元首相はこの懸念について「ナンセンス」であると退けた。

オルメルト元首相は「ヨルダン渓谷がなくても国境を守ることはできるし、安全のために重要であると言う者は嘘をついている」と、英国のサウジアラビア系民間報道機関であるElaphのインタビューの中で語った。

2009年に汚職容疑で辞任する前に、パレスチナとの和平合意達成を近づけたオルメルト元首相はElaphに対し、イスラエルの撤退後、NATOの平和維持軍を国境に沿って配備することでヨルダンのアブドゥッラー2世国王と合意に達していたと語った。

オルメルト元首相は後任のネタニヤフ首相を厳しく批判している。オルメルト元首相の辞任以降、イスラエルとパレスチナ間で実質的な和平交渉は行われていない。

AP

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