
アルジェ:アルジェリア政府は金曜日、西サハラ問題についての円卓協議の場に戻る考えがないことを明らかにした。「我が国はいわゆる円卓会議方式への参加を正式かつ不可逆的に拒否することをここに確認する」とアルジェリア西サハラ全権公使アマル・ベラーニ氏が通信社APSに語った。数日前には国連がこの問題について新たに担当特使を任命していた。
アルジェリア政府は領有権をめぐる争いが絶えない西サハラの独立を目指すポリサリオ戦線の主要支援国とされている。領域の大部分はアルジェリアにとって最大の競争国であるモロッコが実効支配している。
今月、国際危機グループ(ICG)は「モロッコ政府は西サハラを国内問題、ポリサリオ戦線をアルジェリアの傀儡、と位置付けている」と報告しており、これはいかなる協議においてもモロッコはアルジェリアの参加を求めていることを意味する。
ICGの報告には「国家の植民地保有国からの解放に向けた植民地化された人民による抵抗」であるとポリサリオ戦線が主張するこの問題について、同戦線の一部の高官は二国間協議の復活を求めている、と記されている。
2019年に国連が主導した最後の和平協議にはモロッコ・アルジェリア・モーリタニア・ポリサリオ戦線の代表者が参加していた。
2019年5月に国連のホルスト・ケーラー担当特使が辞任したため、和平協議は中断していた。今月になってようやく長年外交官として活躍してきたスタファン・デ・ミストゥラ氏が後任の担当特使に決まった。安全保障理事会が10月27日までにMINURSO(国連西サハラ住民投票ミッション)の平和維持任務再開を決定するとみられており、また和平協議の再開も検討しているとされる。
一方ベラーミ氏は、アルジェリアは安保理に対して「非常に不均衡」かつ「非生産的」な協議方式への参加拒否を伝えた、と話しており、デ・ミストゥラ氏の職務を妨害することもありうると警告した。
ベラーミ氏はモロッコ政府が「西サハラ問題を非植民地化独立紛争ではなく、国内の地域問題であり創作された紛争との認識の植え付け」を試みている、と非難している。
モロッコが昨年イスラエルと国交正常化し、米国に西サハラの領有権を認められて以来、モロッコ政府とアルジェリア政府の間の緊張が高まっている。西サハラはスペインの旧植民地であり、リン酸塩および大西洋の水産資源が豊富な地域である。
ポリサリオ戦線のみならず、パレスチナの支援も長年行ってきたアルジェリアは8月に政府高官に対するスパイ活動などの「敵対行動」を理由にライバル国モロッコとの国交を断絶していた。モロッコはこうした活動について否認している。
モロッコがモーリタニアに続く道路の封鎖を解除させるために軍事行動をとったことから、ポリサリオ戦線が30年間続いた停戦を「法的に無効」と宣言して終了したことも現在の係争に繋がっている。
ベラーニ氏は「緊張が高まる危険性は現実的なものだと認めざるを得ない。地域の平和と安定がかかっているのだ」と語り、国連がこの問題に真剣に取り組むことを求めている。