
ラバト、モロッコ:27日、モロッコ全土の都市でデモ隊が街に繰り出し、仕事や公共空間への立ち入りを認めてもらうために、コロナウイルスのワクチン接種パスが必要になるという国の決定をデモ隊が非難する中、一部が警察と衝突した。
この決定は10月21日に発効し、職場に入るには、モロッコ人はワクチン接種証明を提出しなければならないと規定している。政府は声明の中で、雇用主はこの決定を実施する「直接的な法的責任」を負うと述べている。
ワクチンパスは、レストランや銀行などの屋内サービスの利用や、国内・国外旅行をする上でも必要となる。
人口3600万人の北アフリカの王国モロッコは、アフリカでワクチン接種率が最も高く、人口の50%以上が2回の接種を完了している。今月これまでに、政府はブースター接種の実施も開始した。
しかし、この突然の、異例の広範囲に及ぶワクチン接種要件は、反対の声も引き起こし、ワクチン接種センターでは、人々が接種を受けようと押し寄せたため、大混雑となった。
首都ラバトでは、デモ隊が議会議事堂の外に集まり、この規則は基本的人権や自由権に反しているとして、これに反対するシュプレヒコールを上げた。警察は、怒ったデモ隊が議会の中に入るのを阻止しようと、列を作った。
デモ参加者数人は、議事堂に通じるモハメド5世通りで外へと押し出される中、警察と衝突した。
デモ隊の中には、議会議員で野党統一社会党書記長のナビーラ・ムニーブ氏もいた。同氏は、ワクチンパスを持たずに議事堂に入って登院するのを阻止されたことを受け、抗議活動に参加した。
同様の光景はモロッコの他の都市でも展開され、同国の最も人口の多い都市、カサブランカや、観光地のマラケシュやアガディールでは、数十人のデモ隊が街に繰り出した。警察がデモ隊を追い払おうと、デモ参加者の一部を押し、警棒を振る中、デモ隊は「ワクチンパス反対で団結!」と叫んだ。
AP