
ヨルダン川西岸地区:パレスチナ政府による修復が完了し、中東で最大の古代モザイクの一つが今週公開され、観光客は新たに鑑賞できるようになった。
930平方メートルの複雑な幾何学模様の石のモザイクは、ヒシャーム宮殿として知られる遺跡の一部。最初の世襲イスラム王朝である、首都をダマスカスに置いたウマイヤ朝が支配する時代に建造された。
宮殿は、カリフ・ヒシャーム・イブン・アブド・アルマリク(在位 724~743)の冬の離宮だった。
宮殿は、砂漠のオアシス都市ジェリコの近くに位置する。ジェリコは世界最古の町の一つに数えられ、現在イスラエルが統治するヨルダン川西岸地区にある。イスラエルはこの領域への移動を管理しているが、新型コロナウイルス感染症に関連した制限を解除するのにともない、11月1日から旅行者を受け入れる計画だ。パレスチナ側は、この新たなプロジェクトが地元と外国からの旅行者を呼び寄せることを期待している。
この1800万ドルのプロジェクトには、モザイクを自然条件から保護するために巨大なドームを建設することも含まれ、資金の一部は日本政府が提供した。現在、観光客は新たにつくられた上部に吊るされた通路から、モザイクを見ることができる。
プロジェクトは当初2018年に完了するはずだったが、考古学的な遺跡を傷めることなくドームを固定するのが難しかったこともあり、完成は遅れることとなった。
子供を連れて28日に宮殿を訪れた地元観光客のアブデル・ラヒーム・ザーラン氏は、7年前にこの遺跡に来たが、「こんな開発はされていなかった」と語った。
「建設されたドームは素晴らしいですよ、上から差し込む日光がありません」
AP