チュニス:カイス・サイード大統領が政治的な実権を握ってからほぼ4カ月が経過した11月21日、米国務省は、アントニー・ブリンケン米国務長官がチュニジアの指導者に、「民主化の進展」を求めるチュニジア国民の願いに応えて改革を実行するように促したことを発表した。
先週、サイード氏は、7月に内閣の解任と議会の活動停止を行って大統領本人が権力を掌握して以来国内外で高まっている批判を和らげるために、改革のタイムテーブルにノンストップで取り組んでいると語った。
先週、数千人のチュニジア市民が首都にある議会議事堂近くで議会の復活を求めて抗議行動を起こし、また国際通貨基金の経済救済パッケージの条件となっている経済支援を実施する主要な援助供与国・機関はサイード氏に通常の憲法秩序への復帰を迫っている。
国務省はブリンケン氏とサイード氏の電話協議について、「長官は、チュニジアの政治的、経済的、社会的に重大な課題に対処し、持続的な民主化の進展を求めるチュニジア国民の願いに応えるための、透明性のある包括的な改革プロセスを促した」と声明を発表した。
また、ブリンケン氏とサイード氏は、新政府の樹立や経済状況の緩和に向けた措置など、最近のチュニジア情勢について協議したとしている。
チュニジア大統領府の声明では既に、チュニジアが政治改革の日程を発表した時点で米国がチュニジアに支援を提供すると発表している。サイード氏は、アラブの春における最初にして唯一の民主化蜂起の成功例から10年後に、批判者がクーデター呼ぶ行動で7月にほぼ全権を掌握した。その後に、新首相を任命し、勅令により統治すると発表している。
サイード氏は、自身が支配権を得たことについて、何年にも及ぶ政治的抗争と経済停滞による政府の麻痺を終わらせる唯一の方法だったと弁明し、2011年の革命で勝ち取った権利と自由を守ることを約束している。
ロイター