ベイルート:レバノン軍は23日、声明で、先週1週間で隣国レバノンに不法に入国しようとしたシリア人約700人を追い返したと述べた。
今回の不法入国の試みは、政権支配地域における悲惨な生活環境への不満が高まる中、シリア南部の都市スウェイダで生じた数日間にわたる異例の抗議活動と重なっている。
平和的な民主化運動に対する政府の弾圧を受けて2011年にシリア戦争が始まって以来、既に何百万人ものシリア人が国外に逃亡している。
レバノン軍の声明によると、レバノン軍が「先週数日間にわたり、シリア人約700人がレバノンとシリアの国境を越えるのを阻止した」とされる。
治安当局者がAFPに語ったところによると、シリアの経済状況の悪化により、祖国を脱出する人々が増えており、その多くがヨーロッパへの到達を望んでいるという。同当局者は増加を説明するデータを示すことができず、国境沿いのどこで移民が阻止されているかも明らかではなかった。
同当局者は報道機関に話すことが許されていないため匿名を条件に、シリア人は「経済状況とシリアポンドのさらなる暴落のため」避難していると語った。
12年にわたるシリア内戦で、シリアのインフラや産業は破壊され、シリアポンドは対ドルでほとんど価値を失い、国民のほとんどが貧困に追い込まれている。
「ここレバノンで仕事を見つけたいと考えている人もいますが、多くの人はヨーロッパに逃れたいと考えています」と同当局者は付け加えた。
シリアでは先週、政府が燃料補助金を撤廃したことを受けて数百人規模の抗議デモが発生し、戦争による多大な経済的損害に既に苦しんでいる人々に打撃を与えた。
8月12日、レバノン軍は、シリアとの北部国境付近で、船でヨーロッパに向かおうとした移民134人を制止して逮捕し、そのほとんどがシリア人だったと伝えた。
同日、レバノン軍は同じアッカール県でレバノンに不法入国したシリア人150人を逮捕したと述べた。
レバノン自身の経済崩壊により、レバノンは移民の出発点となった。 レバノン人も、危険な海路を通って出国しようとするシリア難民とパレスチナ難民に加わっている。
当局によると、レバノンは現在約200万人のシリア人を受け入れており、国連に登録しているシリア人は80万人以上で、1人当たりの難民数は世界で最も多い。
レバノンから出発する移民たちは、ヨーロッパを目指し、わずか175キロメートル(110マイル)離れた主要目的地の1つであるキプロスに向かう。
シリア内戦では50万人以上が死亡し、内戦前の人口の約半数が故郷を追われている。
AFP